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ホットライン 2016 round14 / イタリアGP–史上初?のドライバー体制?!

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古くは、ドライバーの移籍話は9月のモンツァから始まるものだった。最近、と言っても30年ほど前からその紳士協定は崩れているが、古式ゆかしく、マクラーレンはここで来年のチーム体制を発表した。なんと、ドライバーが3人?!

クルマ好きのエディター・羽端恭一さんとSTINGER編集長が、最速コースで名高いモンツァのイタリアGPを振り返る。

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羽端恭一(以下、羽端):今週は、まずはレース前のことから。非常に興味深い発表がありましたよね?
STG編集長・山口正己(以下STG):マッサ?それともマクラーレン?

羽端:あ、マクラーレンです。2017年のドライバーが決まったということで。アロンソとヴァンドーンが主戦、そしてバトンは、リザーブというかサードというか、そういう立場になるとか。
STG:ロン・デニス代表によると、”2017年のマクラーレンのドライバーは2人ではなくて3人、という(笑)。

羽端:これニュースを聞いたときには、こういう手があったか、巧いこと考えたもんだなあと、一瞬思ったんですが。
STG:いや、言葉だけだと思います。仮にドライバーにコースによる得手不得手があったとして、年間通してやるのと、得意のコースで二人を使い回すのと、どっちがいいかを考えれば、そりゃ一人でずっとやった方がいいと思います。ドライバーにしてもモチベーションを盛りあげるのは出たり入ったりじゃ無理じゃないかな、と。

羽端:つまりアロンソは全レースに出るけど、もう一人については、コースなどによって、どちらが出るかをその都度決める?
STG:ロン・デニスが言う「3人制」を聞いたとき、そう思いました。本当はどうか知りませんけど、そんな体制は無理でしょう。

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羽端:ははあ・・・・。「三人制」を象徴しているかのような、あるいは、チーム側による情報操作のひとつなのか(笑)。ともかく、3人がすごく嬉しそうに笑っている”スリーショット”が、ニュースと一緒に公開されました。
STG:う〜ん、あの3ショットはシーズン前半に撮影したものでしょうけど、3人とも”プロ”ですからね。でも、もしかすると、何か新しいモチベーションの発揚のしかたがあるのかも。いや、ないなぁ(笑)。

羽端:ウーン(笑)。素朴な疑問としてひとつあるのは、レーシングドライバーって、何よりも「レースを走りたい」人だと思うんですよね。でも、この3人の中でいうと、とくにバトンは、少なくとも2017年は、たぶん、ほとんどのレースを走れないんでしょ? ほかの二人に何かアクシデントがあったとか、そうした例外的な状況は別として。・・・・で、それでいいのか。あるいは、バトンとはそういう人なのか?
STG:そもそも、そうした状況がないと思うので、なんとも返答のしようがないというか。

羽端:ははあ、歴史にも例がない、と。これって、マクラーレン側がジェンソン・バトンを手放したくなかった。とくに、ウイリアムズには行ってほしくなかった?(笑) 一方のジェンソンも、やっぱり英国のチームで「F1をやりたい」と思っていて、その中でもマクラーレンが気に入っている。双方が「縁は切りたくない」という姿勢で、そしてそこから、”最善のベター”というかウルトラCというか。そんな道を互いに探っていったところで、「バトン→リザーブ」というアイデアが出て来たのか? 
STG:なんともわかりませんm(_ _)m。

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羽端:この「バトン/サード」問題については、事実上の引退であろうという見方と、いや、そうじゃないんだというのと、二つに割れているようですが?
STG:どう見ても事実上の引退でしかないと思います。といいますか、F1はそんな中途半端な気分でできるの?というか。

羽端:フーム。アロンソが2017年限りでF1界を去るという可能性は、ないではないので? 
STG:その話も、誰かが勝手に言っているだけのような。いや、2017年でやめる可能性もあるかもしれませんけど、その話題のどこが面白いのか、ちょっとわからないなぁ。

羽端:そしてもちろん、いま鬼はゲラゲラ笑っているでしょうが(笑)、私たちの期待はヴァンドーンに掛かってくるわけで。
STG:むしろ、こうしたおかしな話でヴァンドーンの能力が別の話題に転換される方が哀しいというか。

羽端:なるほどね。たとえば、マックス(フェルスタッペン)との比較ではとか?
STG:いや、その比較も、なんともですね。それぞれいいところがある。たとえば、年齢的にマックスが圧倒的に若い。若いということはある意味向こう見ずな度胸がある。ヴァンドーンは、その対局にある存在なのでね。

羽端:一応まとめてみると、マクラーレンとしては、ことドライバーについては、「いま考えられる範囲」での最上のチョイスをした?
STG:それは間違いない、というか当然のことと思います。

羽端:来年(2017年)は、ホンダとしても3年目になりますが?
STG:う〜ん、それはたまたま3年目というだけのような(笑)。

羽端:ともかく、この「3人体制」が上手く機能することを祈りたいです。
STG:同感ですが、特別な意味はないと思いますけど、もしかして(笑)。


◆超速ハミルトン、まさかのスタート出遅れ!

羽端:では、レースの話に行きましょうか。土曜日にね、ちょっと感動したんですよ。予選で、メルセデス・チームのルイス・ハミルトンが、同じクルマに乗るニコ・ロズベルクを「コンマ5秒」チギったでしょ。おお、スゲーなあ!と思って。
STG:簡単に”キュッ”と捻った感じでし
た。赤子の手を(笑)。

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羽端:でも、日曜日。決勝レースでは、そんなに速かった人が、見事に出遅れちゃうんですよね。あ、見事にという表現は、ちょっと合わないか(笑)。なぜか、ルイスのクルマがトラクションが掛からないみたいな状態になってしまって? わからないものですね、レースって。
STG:スタートに限って言えば、ハミルトンは下手ですね、はっきり言っちゃうけど。しかし、他の才能が傑出しているので、スタートくらい下手でもいいかな、と(笑)。

羽端:それでも、最後は2位でフィニッシュするんですから、やっぱりルイスはルイスで。
STG:そういうことですね。

羽端:あと、一旦ルイスが6位でしたっけ、そこまで落ちて。そこから他車を抜いていくというストーリーになって。これはこれで、おもしろいからイイんですが、ただ、フェラーリまで抜かれちゃうっていうのはなあ!
STG:スタートのタイミングだけでそうなりましたね。逆にいえば、簡単そうにやっていることでも、ちょっとの間違いが大きな差になる、ということかと。

羽端:ただ、メルセデス以外のすべてを抜いちゃう、そういうチカラ関係というのが、ちょっとなあ。表彰台は取られるにしても、フェラーリかレッドブルの一台がルイスの前にいてほしかったな。
STG:特にモンツァはパワーサーキットなので、まぁ、しょうがないところもありますね。

羽端:そのくらいに、ルイスは速いと、まあ、こういう判断もできるのかな? 
STG:それと、メルセデスのパワー、ということですかね。

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羽端:スゲエ事件は、今回、もう一つあって、それは表彰台でした。というか、表彰台を取り巻く人々。ティホシでしたっけ、モンツァのファンはスゲーな!と。ケムリで何も見えなかったり(笑)。
STG:ティフォージというのが正しいイタリア語みたいです。チフス患者という意味で。もう少し正確にいうと、ティフォーゾ、複数だから。しかし、そんなことはどうでもいいですね。ちょっと知ったかぶってみました(笑)。

羽端:実はレース中から、発煙筒は焚かれてましたよね。
STG:う〜ん。

羽端:サッカーの”ノリ”なんですよ。なぜかサッカーは、客席での発煙筒はアリらしくて?(笑)。
STG:なんともですね。

羽端:それで、ニコ(ロズベルク)も、あの歌を歌ったんじゃないですかね。イタリア語だったでしょ、あれ? 
STG:何の歌?

羽端:私ももちろん知らなくて(笑)。これは聞いた話ですが、サッカーのワールドカップでイタリアが勝ったときに、イタリアのファンがみんなで歌う歌、らしいです。
STG:あ、あれですね。

羽端:ブーイングを消そうと思ったんですかね、ニコは。だから、イタリア語で喋って、歌まで歌って。
STG:確かに。ちょっと大げさにいうと、たぶん、モンツァの表彰台最上段に乗った中で、最もイタリアでウケがないのがロズベルグじゃないか、という気がしました。地味というかなんというか。

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羽端:その結果としては、けっこう、イタリアの観客にウケてましたよね(笑)。
STG:これで人気が出ればいいですけどね。

羽端:表彰式の話題ばかりになってしまいましたが(笑)、決勝レースでは、そういえばアロンソがファステスト・ラップだったのでは? 
STG:最後に突然タイヤを交換したのでどうしたのかと思いきや。まぁ、そういうことができるところに来た、ということで喜んでおきましょうか。

羽端:決勝セッティング+柔らかいタイヤなら、モンツァでもタイムは出せたんだというデモンストレーション?
STG:わかりませんけど、何かを示したかった。そして、それができた、ということですかね。どれだけ意味があったかわからんですけど、なにせ、ホンダがモンツァでファステストラップを記録したのは、1991年のセナ以来だったらしいので!!

羽端:これで、チャンピオン争いもまったくわからなくなったし。
STG:う〜ん、ハミルトンが取るんでしょうけど、ロズベルグが楽しませてくれているというか(笑)。ちょっと意地悪に言っちゃってみました(笑)。

羽端:予選とか、出遅れての2位とか。やっぱり、ルイスは! さて、次回からアジア・ラウンドになりますね。
STG:3戦のアジアから北南アメリカ、そして中東ですね。ヨーロッパラウンドは終わりましたけど、まだまだ2016年は続いている、ということで。

[STINGER]

Photos by
McLaren Honda/LAT Photographic
MERCEDES AMG PETRONAS Formula One Team
Ferrari S.p.A / FERRARI MEDIA
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F1 最新レースデータ

F1 ポイント・ランキング

F1ドライバーズ・ポイント
1位マックス・フェルスタッペン491ポイント"
2位セルジオ・ペレス240ポイント
3位ルイス・ハミルトン220ポイント
F1 コンストラクターズ・ポイント
1位レッドブル・レーシング860ポイント
2位メルセデス409ポイント
3位フェラーリ406ポイント

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