F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

	F1で巡りあった世界の空。山口正己ブログ

2017年10月13日

川井ちゃん、そろそろ気付いてちょうだい

◆フジテレビの解説の話題でツイッターがローカルに盛り上がった。

◆意見を言うと文句と取られる日本では、悪口を前向きに展開するのはなかなか難しいが、今回は、建設的に多くの意見を拝読できた。テーマを投げてくれた方や、コメントを寄せてくれた方々に、この場を借りて感謝します。ありがとうございました。

◆さて、名指しになるが、話題の中心は、“川井ちゃん”の解説。私の意見は、視聴者への情報提供が第一、知識の豊富さは素晴しいけれど、“だから難しくてもいい”、ではマニアにとっての狭義な放送になってもったいない。私物化せずに、公共性を考えて、知ったかぶりではない情報提供をしてほしい、ということで、大方の賛同が得られたと思う。

◆難しいだけならまだいい。問題は、キミたち知らないだろう、という表現の仕方。以前、ホンダの関係者とグランプリのパドックで話をしているところに彼が通り掛かって話を小耳に挟んで言った一言にそれが凝縮されていた。「今の話さ、この前テレビでしゃべったけど、誰もわからなかったと思うよ」。

◆自分の立場が、視聴者が楽しむ情報を提供することであることをすっかり勘違いし、そこに愛のなさを感じる。情報は豊富だが、根底にある大切なものがズレている。

◆以前、日本人ドライバーやホンダやトヨタ、そしてブリヂストンが参戦していた時代、それぞれの会見の場に彼がいると、場が固くなり、特殊なムードになっていた。例えば、ブリヂストン時代にF1現場で行なわれていた浜島裕英エンジニアの会見で単純な質問をしたところ、横から、「センセ~、そんなことも知らないの? 何年F1やんてんの」と言われたことがある。すかさず、浜島さんの意見を聞きたいので、ちょっと黙っててくれる? と返したが、他の多くの若いメディア関係者は、萎縮して、彼がいる会見では、高度なことしか質問できないムードになっていた。

◆例えば、一時、“グレイニング”という言葉が流行った。簡単に言えば、タイヤ表面のささくれだが、一言でグレイニングといっても多様な状況があって単純には表現できない言葉だったが、浜島会見の場では、“今日のグレイニングは?”というのが最初の質問の定番になった。

◆あるとき、浜島さんがセッション後に、タイヤ表面をチェックしている場面に遭遇したので、「恥ずかしながら、グレンニングがよく分からないので教えてください」とお願いしてみた。浜島さんは、「大丈夫ですよ、誰もわかっていないから」と笑いながらていねいに教えてくださったが、それでもよくわからなかった。だから私はグレイニングという言葉を使って質問したことは一度もない。しかし、質問者は、専門用語を使うと、一人前になった気がするのか、特に彼がいるときはそういうやりとりになりがちだった。

◆問題なのは、本質ではなく、そうして“表現”をすることによって、あたかも分かったような気分になることだ。もちろん、ファンとしての楽しみ方は、“気分”が大事だが、情報を伝える方がそれではよろしくないだろう。だが、彼の存在が、会見の場を、表面的なやりとりにしてしまった。周囲に対する思いやりのなさや、場に対するリスペクトのなさの結果だった。

◆英語力を活用して、グランプリの会場に多くの“仲間”がいる。ドライバーに限らず、テレビのコメンテイターであることも知られているから、情報源は実に豊富だ。問題は、その情報の伝え方。共演者を見下すような態度や、アナウンサーを小馬鹿にしたような対応が見えてしまうのは見苦しい。知らない人が通りがかりでそうした放送に触れても、続けて観たいとは思わないだろう。

◆しかし、そうなってしまったのは、フジテレビのコントロールができていないからに違いない。我が物顔になって、F1放送の中で一番偉い人になってしまっている感がある。彼の仕切りで、すべてが動いている(ように見える)。それは、主体である放送局が、すっかりオンブにダッコ状態だからと想像できる。

◆いつだったか、どこかのグランプリの帰りの飛行機が一緒だった。成田で荷物を待っていると、若いディレクターが大量のスーツケースを積んだキャスターの前で呆然としている。「一人で何人分も大変だね」と訊くと、“たばこ吸いたいから先に行くって”と苦笑いした。ナニサマと思えるこうしたことを平気でできるようにしてしまったのは誰のせいだろうか。

◆F1に限らず、テレビで放送されるスポーツは楽しく観たい。ゴルフでいえば、青木功プロや芹澤信雄プロがその好例。プロとしての実績や、ゴルファーの心理を含めた解説に、ゴルフに対する愛を感じる。観たいのは、試合の流れやプレーそのものだけでなく、そこに育まれる愛だったりする。

◆同じモータースポーツで言うなら、それを感じられるのがGAORAのインディカーだ。村田実況アナと、武藤英紀解説者、天野雅彦現地レポーターのトリオのやり合いは、ちっともマニアックではないけれど、そんなことよりアットホームで好感が持てる。

◆F1に限っても、浜島裕英、松田次生、森脇基恭、津川哲夫、片山右京、古くは鈴木亜久里各氏の解説はラブリー。自分が住んでいる、もしくはお世話になった世界に対するリスペクトがあるからだ。だからサービス精神があふれた情報提供をしてくれる。

◆マニアな方々は、教祖として崇めているけれど、そのことがますます助長を呼んで、自分が好きな世界を狭めてしまっているかもしれない。

◆仲間を揶揄するのは気分がよろしくない。けれど、こういう意見もきちんと伝えて、みんなで盛り上げる世界であってほしいと思う。


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