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	F1で巡りあった世界の空。山口正己ブログ

2017年3月25日

長谷川F1プロジェクト総責任者のサングラス

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サングラスには意味があった。いや、勝手な想像だが。

金曜日の夕方に行なわれたホンダF1レーシングの会見に、長谷川F1プロジェクト総責任者は、サングラスをしたままで臨んだ。サングラスを外すと、睡眠不足というより、ほとんど寝ていないことが見えてしまうと思える赤い目を隠すためだと邪推した。

開幕戦のこの段階で、寝ていないことじたい、F1GPならさして驚くことではないかもしれない。しかし、悲惨だったバルセロナでのテストの結果についての有形無形の非難に、長谷川祐介F1プロジェクト総責任者だけがさらされている実態に、なんともやりきれない気分になった。

ホンダはF1に参戦している。「F1」と一口にいうが、そこがどれだけ高い山であるかを、ホンダの中にも知っている人と知らない人がいる。長谷川祐介F1プロジェクト総責任者は、16戦15勝と破竹の勢いで快進撃を展開したホンダF1第二期に、アイルトン・セナのエンジニアとして名を馳せ、その後、第三期の最後のしりぬぐいを担当した木内健雄エンジニアの推挙を受けてF1開発に抜擢された。要はF1の神髄を知っている人物である。

簡単なステレオ化は若干憚れるが、この際だ。長谷川F1プロジェクト総責任者と対局にあるのが、F1をご存じない、いや、名前くらいは知っていても、その本質やクォリティを知らないグループ。世の中には当然そうしたジャンルもあってしかるべしだが、本田技研工業株式会社の上層部が、それを知らないとなると、これは由々しき問題だ。

◆サーティスを知らない上層部?

2週間前に、ジョン・サーティースが亡くなったが、その上層部のなかに、その名前をご存じない幹部がいるというまことしやかな噂が流れた。事実かどうかは未確認だが、全体の流れとしては、社長を含む上層部が、F1に対する認識不足であることは、様々な現象や態度などを見る限り、あたらずとも遠からずと思えた。

要するに、成績不振で起きる雑音を含む叱咤激励の声は、会社の責任を受け持つポジションの上層部にも向けられているのだが、どうもそこに届いていず、現場止まりではないかと思える。本来なら、叱咤は上層部に届き、激励が開発現場に届くのが理想だ。しかし、いまは両方とも開発現場にだけ届いているのではないかと思える。

◆本社と研究所

こで、若干誤解されている”ホンダ”という表現を整理しておきたい。

ホンダと言っても、青山一丁目の本田技研工業株式会社と、栃木県の本田技術研究所の二つが存在する。「F1をやっている」ホンダは、ザックリ言えば、前者が命令を出し、後者が実行している。長谷川F1プロジェクト総責任者がリーダーである研究施設の通称『サクラ』は、いうまでもなく後者である。

成績不振の矛先は、後者に向い勝ちだ。実際に開発をしているのだから、責任は当然ある。しかし、前者からの発令の段階に問題があったとしたら?

後者関係のある知り合いからの情報によると、3年前にF1復帰が決まったとき、当時の伊東孝紳社長が研究所にやってきて、「F1に復帰する。予算はないけれど、よろしく」と言って帰ったという。それを聞いて、知り合いは愕然としたそうだ。そりゃそうだ。状況が湯水のように予算をかけられはしないことは理解できるにしても、F1を理解しているとは到底思えない発言だったからだ。

全盛を誇ったホンダF1第二期時代と、現在の”ホンダ”の間で、何が変化したかといえば、最も大きなことは、本社と研究所の一体感ではないかと思える。攻められるべきは、長谷川F1プロジェクト総責任者と研究所だけでなく、その前に本社の上層部ではないか、ということだ。

開発の中枢で寝る間もない研究所のメンバーを守ってこその本社である。開発に全勢力を回せるようなお膳立ては、当然のことだ。第二期時代は、本田宗一郎の熱い血を引き継ぐ川本信彦社長が全権をもって号令をかけ、桜井淑敏、後藤治などの開発責任者を筆頭とするエンジニアが開発に邁進していた。言い換えれば、研究所は、研究に勢力の総てを注入できていた。

本社の対応も、それを理解できていた。川本社長が、F1のクォリティをよく理解されていたからだ。

いうまでもなく、川本元社長は、第一期F1時代に現場で苦労し、一時は、本田を飛び出し、エンジンビルダーのコスワース社に中村良夫さんが書いた推薦状を持って移籍しようとしてた筋金入り。モーターレーシングを深く理解していたことはいまさらいうまでもない。

当の本田技術研究所の、モータースポーツにあまり興味を示されないお歴々も、成績不振は歓迎できないことだろう。ならば、非難の矛先が、現場だけに及ぶことがない、研究所が開発に邁進できるような下地創りが必要であることを、長谷川F1プロジェクト総責任者のサングラスから、是非とも感じてほしいと思ったのである。

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