F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集 F1 STINGER 【スティンガー】  > F1に燃え、ゴルフに泣く日々。 >  >     加瀬さん、やすらかに。

	F1で巡りあった世界の空。山口正己ブログ

加瀬さん、やすらかに。

◆突然、大変残念なお知らせをしなければならない。

『スクーデリア一方通行』(著者の加瀬さんは、”スクイチ”と呼んでいた)の筆者である加瀬竜哉/本名加瀬龍哉さんが、2012年1月24日、音楽プロデュサーとして作業中に倒れ、帰らぬ人となった。

◆長い闘病生活を送りながら外には一切知らせず、”いつかガンを克服したことを自慢するんだ”と家族や関係者に語っていたという。いまはただ、安らかに、冥福をお祈りするだけだが、やり残したことが、二つあった。

◆最近では、杖を頼りにしなければならない体調だったとのことだが、入院を拒み続けていた加瀬さんは、通院投薬を選んでいたが、昨年12月に薬の種類を変えて体調が上向きになったという。そこで、3月3日と4日に予定されている鈴鹿サーキット50周年感謝デーで、星野一義と中嶋悟がウィリアムズとロータスに乗るところを見物する予定だった。ひとつめは、それが実現できなかったこと。

◆そしてもうひとつは、星野一義さんがモデルになった小説『Wildest Dream~見果てぬ夢~』が、2011年12月30日の第三章を最後に、完結できなかったことだった。

◆しかし、そのふたつを除けば、布団の中や病院ではなく、本業の音楽の仕事を終えて、そこでエネルギーが尽きた加瀬さんらしい、やり遂げた最期だった。音楽とF1を浴び続けた人生は、すっかりやり尽くした。とっても太くて実に濃い、人生をまっとうした47年だったと思う。

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◆加瀬さんとの出会ったきっかけをつくってくれたのは、知る人ぞ知る“no race no life”。その後お願いして[STINGER-VILLAGE]でも健筆を振るっていただくことになるのだが、その調査力とバイタリティに腰を抜かして、早速、管理人アドレスにメールをして知り合った。直後に家に来てもらった後、実際に会ったのは、彼がプロデュースするライブで対談をやらせていただいたときと、富士スピードウェイと近隣のゴルフ場で開催したプロゴルファーとレーサーの競演、”The業界対決”を含め、数回だけ。酒を飲んだこともないけれど、GPX編集長であることを知っていてくれたお陰で、会った回数の100倍は親しくしていただき、すんなり[STINGER-VILLAGE]に登場してもらうことになった。

◆[STINGER-VILLAGE]の“スクイチ”には、根強いファンがたくさんいて、その中には、自動車メーカーの加護をまったく受けずにF1に乗った希有な日本人である井上隆智穂さんも含まれていたが、まるで雪崩のように襲いかかる文章から、加瀬さんのなみなみならぬレースへの思いのたけが伝わって、このジャンルで負け知らずと思い上がっていた自分が、少なくとも世界で二番目であることを読むたびに思い知らされ、いつも悔しい思いをしているのである。

◆加瀬さんは、音楽という、我々とは別世界での活動が本業であり、独断でお伝えしていいか判断ができなかったことで、報告が遅れてしまった。ご家族や、関係者の方々には、ご心配をおかけしてしまったが、[STINGER]では、加瀬さんの遺志を継承し、より多くの方に加瀬さんの愛したF1を中心とするモーターレーシングを深く知っていただくために、ご家族やマネージャーと相談の上、”スクイチ”を永久保存とさせていただくことにした。今後とも、”スクイチ”を、よろしくお願いしますm(_ _)m。

◆加瀬さん、安らかにお休みください。そして、本田宗一郎さんや、アイルトン・セナと、レース談義を楽しんでください。
[STINGER-VILLAGE]村長 山口正己
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