F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

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“ぶつからないクルマ”?!

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◆スバルの発表会、というか勉強会にお呼ばれ。愛妻と、じゃなくて(笑)、アイサイトの進化型である。

◆スバルの危険回避システムを搭載したクルマが、アメリカでも高い評価を受けていると説明された。運転負荷軽減、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作から開放する、プリクラッシュへの認識技術の進化がビデオも交えて、”次世代アイサイト”の進化が伝わった。

◆安全技術の向上は 夢もあって素晴らしい。自動車が基幹産業の国として、誇らしいとも思う。認識技術がさらに高くなることを期待したい。だが、”ノードライブビークル”という呼び名でもいいけれど、部屋が移動してくれるような、完全自動運転まで行き着けば話は別かもしれないが、現状のシステムを”ぶつからないクルマ”というフレーズで広めてしまうのはどうも賛成しにくい。

◆こうした装備は、きちんと曲がるステアリングや、ちゃんと止まるブレーキと同じように、当たり前のもので、百歩譲っても、あくまで”運転者をサポートするために存在するもの”であるべきと思うからだ。うちのクルマはちゃんとブレーキが効きます、とはどこのメーカーも言わない。なのに”アイサイト”という聞き慣れない言葉になると、突然、ポジションが変わってしまう。

◆真に受けた(笑)新聞などは、それをそのままニュースにする。世の中の多くの人は、こちらほど暇ではなくてクルマのことをそんなに真剣に考えていない(そもそも考える必要もあまりない)ので、あ〜、便利なんだ、安全なんだ、という認識になって、アイサイト付きが売れる。なので、ますます”ぶつからないクルマ”は正義になっていくのだが、この方向は、「運転の責任は運転者である」という基本ラインを忘れさせてしまいそうでかなり怖い。

◆ニッサンがグーグルと共同開発して2020年に自動運転のクルマを発売するようなニュースが流れたときにいやな感じがした。自動運転になるのがいやなのではない。もしそのクルマが完成したとして(周辺のインフラなどの整備が徹底しない限り、実現しないと思うが)、だったら運転席の人は寝ててもいいの? 酒呑んでもいいの? ということになる。

◆たぶん、ニッサンやグーグルの担当の方は、”いや、最後は運転者の責任で”とおっしゃるかもしれないが、だとすると、自動的にある意味”勝手に進んでいるクルマ”の運転席で、な〜んにもしないでボケッと座っている人が、何かあった瞬間に反応して操作しなければならないことになる。そんな芸当が無理なことは、誰にでもわかる。なので、2020年自動運転車発売は、夢はあっても素直にバンザイと言う気になれない。しかし、世間的には、なんだか夢のクルマみたいに受け取られたに違いない。いやな感じがしたのはそのためだ。

◆クルマの装備を安全にするのはとってもいいことだ。けれど、完全自動運転ではないスバルのアイサイトの場合、それを売りにして、”それが護ってくれる”という認識を広げてしうまのはとってもアブナイと思う。

◆スバルのアイサイトの勉強会で、最後は人である、という部分ついてどうお考えかを誰も質問をしないので、場の空気を読まずにそんなことを最後に質問した。なんとなく重苦しいムードになったm(_ _)m。世の中、なにが正義なのかわからない。
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