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	F1で巡りあった世界の空。山口正己ブログ

噂だけで一喜一憂も、まぁ一興だけれど–写真劇場付き

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はい、来年のドラバー候補は、並んで、並んデ!!

バルセロナの合同テストで露呈したマクラーレン・ホンダのポテンシャル不足に端を発した”騒動”が続いている。まるで、森友学園問題のようだ。核心はまったく違うところにあるのに、関係ない話で騒ぎ立てるというか、核心じゃなくてもとにかく騒いでおきたいのかと思える勝手な想像や単なる噂、少なくとも正式ではなく、具体的というには根拠が乏しいコメントが世界中を駆けめぐっている。

最たる例は、来年ザウバー・ホンダになる、というまるで正式発表が行なわれたような情報。いや、そうなる可能性はかなり高いだろうけれど、まだ決定ではなく、それだけでなく、その論拠が非常にあやふやなものや、理論展開がため息ものばかりだ。

ザウバーのモニカ・カルテンボーン代表が、「うまくいっている」と言ったという。そりゃ、”いただく方”ならそう言うに決まっているし、実際にザウバー・ホンダが実現する可能性はそれなりに高いにしても、そして他にトロロッソも候補に挙がっているけれど、いずれにしても、まだ決定ではない。

メルボルンでモニシャとホンダの関係者が話をしている場面も見かけたが、そんな場面はない方がおかしい、というか当たり前。話をしたから決定、ということにはなりはしない。

そもそもが、”5月の段階で、パワーユニットの供給が決定していないチームには、エンジン・サプライヤーは公平にパワーユニットを供給しなければならない”という規則がある。逆に言えば、それまでは正式に発表する必要はない。ならば、決定はしていない。可能性はあくまで可能性であって、決定ではない、ということだ。

まぁ、話は面白ければいいので、盛り上げとしての情報は歓迎したいのだが、チンプな情報にゆめゆめ惑わされないようにしたいものだ。

例えば、アロンソはホンダのパワーユニットに不満を持っている。有り余るパワーがない限り、それは当然のことだが、アロンソの友人であるマーク・ウェバーが、「アロンソは、優勝するために走っている。今の状況はフラストレーションが溜まっていると思う」とコメントしたという。それが嘘ではないだろうけれど、それがイコール、マクラーレンをやめる、ということにはつながらない。

ウェーバーのコメントをよく観察してみよう。マーク・ウェバーという著名人であり、ましてやアロンソの友人なので説得力は山盛りだが、結論は、”思う”だ。アロンソがそう言っていた、でもなければ、ましてや、ウェーバーは本人ではない。つまり、実は何の説得力もない。まことしやか、という言葉はこのことを言う。

アロンソがパワー不足に不満を持っているのは、ウェーバーのコメントを訊くまでもない。つまり、ウェーバーのコメントを引き合いに出しても、何の説得力にもならない、ということだ。

メルセデスが、昨シーズン終了直後のニコ・ロズベルグの電撃引退を受けてアロンソに打診した、とメルセデスのトト・ウォルフが言ったというのも、いまさらというか、当たり前のことだ。契約があってダメだった、というこの情報は、熱いフライパンを触ったら火傷した、というくらい当たり前のことで何の役にも立たない。

そもそも、これらの情報は、マクラーレンとホンダが別れる、ということを前提にしている。いや、話は確かに面白いし、こちらも、1993年1994年のプジョーがそうだったように、そうなる可能性はなくはないけれど、いまのところ事実ではない。

その前に、マクラーレンとは別れることを前提にしている情報なのに、だったらなんで”2チーム目”なのさ、ということもあったりする。

そもそも、マクラーレンとホンダが痴話喧嘩のような状況になっている、という観方は興味をソソるが、本当に何が話されているのかは別の話。犬も食わない夫婦喧嘩を詮索してどうする、ってことでもある。

噂というのは、面白いもので、例えばここで誰かが、「実はアロンソはフェラーリと交渉している」と言えば、それがまるで事実のように動き始める。「フェッテルが開幕戦で優勝した一方で、なかなかうまくいかないキミ・ライコネンが、開幕戦のトップ3会見でべらべら喋るフェッテルをみて、気分を害して椅子を蹴っ飛ばして帰った」というような話が流れると、話はますます信憑性を高くするが、この話はたったいま、ここででっち上げた作り話だ。

『もっともらしいこと』と『事実』の棲み分けが肝心? それをどう解釈するかは実は受け取る側の責任という状況もある。そこを踏まえつつあふれる情報に触れていると、違う楽しみもできて、これも一興。

まぁ、どっちに転んでも、F1は楽しいってことですが。

以下、メルボルン写真劇場をお楽しみください。

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モニカさん、来年よろしく、なんてまだ言ってません。

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この世界に来てまだ数年の知ろうと(素人ではない)ですが、
メルセデスのチーム代表である私が言えば、みなさん面白いように騙されます、なんて言ってないです。
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来年、うち来る? l行く行く、なんて、ブーリエさんもグロジャンも言ってないです。

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うちはさ、ホンダとけんかしてんの、なんてザックさんは言ってないです。

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はい、来年のドライバー希望者は並んで、並んで。
photo by McLaren /  [STINGER]
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