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アロンソはなぜリタイアしたのか

序盤、バックストレッチで悪くないところも見せていた。

夏休みを挟んで再開したベルギーGPで、マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソは予選10番手からダッシュを決め、1コーナーを7番手で通過した。

その後、フォースインディアのセルジオ・ペレスに抜かれたが、次の周に抜き返し、それがオールージュに続く長いストレートだったので、ホンダ・パワーも満更ではない、と思ったファンも多かったはずだ。

しかし、その後アロンソは、ズルズルと順位を落とし、「恥ずかしい」とコメントした、というニュースが流れた。

アロンソがラジオを通じてチームに伝えたのは“EMBARRASSING”。これが「恥ずかしい」と訳された。確かにそういう意味もあるが、「困った」とか「困惑している」という意味もある。アロンソがどちらを伝えたかったのだろうか。「恥ずかしい」と「困惑している」ではかなり意味が違う。

どちらにしても、アロンソが喜んでいないことは確かであり、アロンソは、44周レースを25周走ったところで、自らの意志でピットに戻ってマシンを降りた。チームからは何の指示も出ていなかった。

アロンソは、ピットインする前に、“エンジン・プロブレム”とピットに伝えた。しかし、ホンダは、「データ上にはなにも不具合はない」と発表した。

ホンダに期待している? それとも、もっとむさぼろうとしている?

優れたドライバー、たとえばアイルトン・セナは、とあるテストで突然ピットインしてマシンを降り、「エンジンが壊れる」と言ってさっさと帰ってしまったことがある。テレメーターのデータには何の不具合もなかった。しかし、和光研究所(第二期ホンダF1時代。現在ならサクラ)に送り返したエンジンをベンチにかけると、しばらくして壊れた、という話も実存する。同じことがアロンソのパワーユニットに起きていて、データに現れる前にアロンソがそれを察知した可能性はなくもない。

しかし、第二期から30年、テクノロジーは比較できないほど進化し、データの信憑性は限りなく高くなっているはずだ。

ところで、酷い状況といいながら、アロンソがそれでもマクラーレン・ホンダに乗り続けるのはなぜだろう高額な契約金をもらっているから、という意見がある。多分安くはないだろうが、そもそも彼らが第一義に考えるのは金ではなく、勝つことであるはずで、ならばこの意見は正しくない。

しかし、星野一義さんは、「あんな状態でチームを飛び出さないアロンソが嫌いになった」とつぶやいたことがあるが、それでもチームに留まる理由は、なんなのか。

もしかするとフェルナンド・アロンソも人の子、ということか。アイルトン・セナに憧れた少年は、やがてワールドチャンピオンを二度奪うが、幼年期の憧れ、「セナが乗っていたマクラーレン・ホンダ」に対するロマンがそのまま脳裏に残っている?

つまり、“あのホンダだから、いつかやってくれる”とアロンソが今でも期待している、と考えられなくもない。

“EMBARRASSING”は、「恥ずかしい」ではなく「困惑している」と解釈したくなるのは、そのためだ。

そんなバカな、という意見もあるだろうが、だとしたら、フェルナンド・アロンソがマクラーレン・ホンダをやめない理由を聞かせてほしいところた。

[STINGER]山口正己

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