木曜日のピットで見えたこと—-カウントダウン企画 2018F1GP開幕まであと2日
新シーズンに向けて秒読みが始まった!!
(3日からつづく)
2018F1GP開幕戦前夜19時。アルバートパークのピット。整理整頓世界選手権であるF1、準備の整い具合でポテンシャルの一端が見えるはずだ。
しかし、期待はいい方に外れた。今年は、各チームの格差が縮まって、固まり感が強くなりそうなことがテストの流れで見えていたが、まさにピットの様子は、その通りになることを感じさせた。
ピットは、前年のコンストラクターズポイントの順に並ぶ。1コーナー側、つまりスタート地点の反対側のスタンドからピットに向かって左から、メルセデス、フェラーリ、レッドブルと並んでゆく。シリーズ7位のトロロッソがハースをマクラーレンとサンドイッチし、一番右がザウバーだ。
一番左のメルセデスとフェラーリは、観察を行なった19時時点で、作業のほとんどを終え、ピットガレージに見えたクルーは数人。つまり、準備万端滞りなく進んでいることが理解できた。
ここで面白いのは、レッドブル。メルセデスとフェラーリと同じく、作業は終わっていたが、ゲストをピットに招いて見物させていた。これも余裕の表れか。
さらに興味深かったのはここから右、つまり、コンストラクターズ4番手のフォースインディア以下だ。残りの全チームが、ほぼ同じ状況に見えた。ピット周りのカウルの並べ方や、ボディーのワックスのかかり方、メカニックの動きなど、差別化できないレベルだった。
ウィリアムズとルノーは、ちょうどこの時間にタイヤ交換の練習をしていたが、どちらも滞りなくルーティンをこなしていた。
つまり、チームの戦力のひとつのバロメーターになる予選では、トップ3が上位に来ることは間違いなさそうだが、それに続く中団が密集していて、どこが“4番目”のチームなのかわからない!
テストでトラブルに追いまくられたマクラーレンは、トップ3と同じレベルで作業を終えたムードだった。案外、「トラブルは解決した」というのは強がりではないかも?
気になったのは、トロロッソが衝立でガレージを隠していたこと。バーニー・エクレストン時代には、”隠す”という行為がマイナスイメージになるという理由で衝立が禁止されていた。当然だ。企業秘密がある? そういう狭い考えはF1に似合わない。
トロロッソの衝立には、なにかの理由があるのだろうか。ちなみに、衝立の隙間からちらりと見えたマシンには、”作業完了”を意味するボディカバーがかけられていた。
金曜日のフリー走行は、12時(日本時間10時)から始まる。
STINGER 山口正己
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