FFのGT-Rの存在意義
2月28日に横浜の日産グローバル本社で日産モータースポーツ参戦発表会が開かれた。今年の目玉となるルマン24時間に参戦するGT-R LM NISMOの実車の登場はなかったものの、映像で名前の由来やFFを選択した理由が伝えられた。
GT-Rの名前の由来は、目鼻だちが似ていること、サイドウィンドウ後端の処理もイメージを踏襲していることし、FFにする利点は、特に空力的に、現在の規則が、常識的なミッドシップ・エンジンに対応していることを挙げた。
現在の常識的なエンジンレイアウトでは、必然的にリヤのダウンフォースが要求されるが、逆にそのためにリヤの空力的処理に縛りが厳しくなっている。
そこで日産は、フロント駆動にすることでフロントのダウンフォースを獲得が条件的に有利であるることに着目、FF最大の利点にする考え方だ。
レーシングカーの常識として、50年ほど前から、重心位置が車体の中央にできて運動性能が有利なミッドシップのエンジン・レイアウトが”普通”になっているが、GT-R LM NISMOはその常識を覆すトライアルを行なうことで注目を集めようとしているようだ。
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[STINGER]山口正己