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ルマン24時間、ポルシェの作戦、アウディの戦略。 2台体制のトヨタに打つ手はあるか!?

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1923年から連綿と続くフランスの夏至恒例イベント『ルマン24時間』が始まった。月曜日と火曜日の車検から1週間続く伝統のお祭りの走行初日、強烈なパンチを繰り出したのは、昨年復帰したポルシェだった。
◆ポルシェが圧倒的なスピードを見せている
6月10日水曜日、昼間と夜間に分けて、水曜日と木曜日に都合4回行なわれるフリー走行と予選の注目は、3台体制で挑む王者アウディが送り込むR18 e-toron quattroと、ルマンの元祖ポルシェが本腰を入れた919 HYBRID、そして2014年ワールドチャンピオンのトヨタTS040 HYBRIDの三つ巴。

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しかし、最初の走行が始まってすぐに、3車のスピード差が歴然となった。夜間の予選も、1、2、3番手がポルシェ919 HYBRID、4、5、6番手がアウディR18 e-toron quattro、そして7,8番手がトヨタTS040 HYBRIDの結果になった。
特に夜間に行なわれた最初の予選でスパートしたポルシェ919 HYBRIDのタイムは、昨年のポールタイムを5秒、コースレコードを2秒近く縮める驚異的なスピード。

ポルシェは、1位から3位までを独占し、とにかく逃げの作戦か。3台あればどれが持つ、という考え方だ。


◆アウディの戦略?!
4位から6位に位置したアウディは、二手に分けてレースを戦う戦略かもしれない。ゼッケン8と9にポルシェを追わせ、ゼッケン7は、トヨタのペースで完走狙いか。3台いればそういう戦略が可能だ。

ポルシェも、逃げ組と安定ペース組に分けることができる。ルマンは、時としてウサギとカメの闘いにもなるが、3台のチームは、ウサギにもカメにもなれるということだ。

対するトヨタは、2台体制というのが苦しい。耐久レースの数の原理は、”6時間までなら1台でなんとか行ける。6時間を超えたら2台が必要。24時間は3台が必須”という。WECの監督だった木下美明前TMG社長の言葉である。ただし、”苦しい条件の中で勝つのがトヨタの流儀”とも。

常識を覆すFF方式で注目されるニッサンGT-R LM Nismoは、夜間に行なわれた2回目の予選になってそれなりのところにきた。ただし、当面の相手は、ポルシェでもアウディでもトヨタでもなく、Oreca 05Nissan。同じニッサン製エンジンを積む格下のLMPである。

ポルシェ919 HYBRIDの最速は3分16秒台という驚愕のスーパーラップに対して、アウディR18 e-toron quattroが3分19秒台が最速。トヨタTS040 HYBRIDは、2台とも3分23秒台。去年、中嶋一貴が記録したポールタイムにも届いていない。アウディもポルシェも桁違いに速くなっている。

ただし、トヨタTS040 HYBRIDも間違いなく進化しているはずで、もしかすると余力を残し、狙うのは予選ではなくて24時間後だけに照準を絞り込んでいるのかもしれない。

昨年、日本人初のポールポジョンを奪った中嶋一貴は、「タイムアタックの終わりにトラフィックに引っかかったのはとても残念でしたが、予選は我々の最優先ではありません。不運は決勝で来るより、予選で来る方が良いと思います」とコメント。余裕を見せている。


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◆LMP2も混戦必至
日本からLMP2クラスに参戦する童夢のStrakka Dome S103-Nissanは、LMP2の12番手。チーム SARDのMorgan Evo-SARDは、1回目の予選で10番手にいる。

とはいえ、まだ祭りは始まったばかり。予選はあと2回残っており、レースは24時間。何が起きるか分らない。

photo by TOYOTA RACING/DOME(STRAKKA)

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