フォーミュラEの5年計画
F1では、2015シーズンと表現するが、フォーミュラEでは、2014年9月から2005年7月までの最初のシーズンを”1stシーズン”と呼ぶ。シーズンが、9月に開幕して越年で行なわれるためだが、これも、”オールエレクトリック・レース”の新しさを訴えようという姿勢の現れとも取れる。
現在、シーズン1を終えてシーズン2に向けてテストが行なわれているところだが、すでに”シーズン5″までが計画的にスケジューリングされている。この計画は度々変更され、不安定な様相もみせており、今後変更の可能性もあるが、現時点でのシーズン5までのスケジュールは、以下のようになっている。
5年計画は変化しつつも”未来”をめざしている。
◆1stシーズン(2014-2015)
⇒世界各国でまずは開催すること。すべて公道レースのALL ELECTRIC FORMULA RACEをそれなりに拡散できた。
⇒バッテリーは28kw/h。ちなみにi-MiEVが16KW/h、ニッサン・リーフが20KW/h。
◆2ndシーズン(2015-2016)
⇒マクラーレン製のモーター・ユニットで過ごした1stシーズンから、2ndシーズンのパワートレーンは自由に。結果、9メーカーが加わり、既存のマクラーレン製と合わせて、10チームがすべて別のメイクスのパワートレーンを使う。
⇒バッテリー容量は1stシーズンと同じ28KW/h。予選の最大パワー200kwも同じだが、決勝の最大パワーが1stシーズンの150kwから170kwに増やされる。最大ブーストもシーズン1の180kwのまま。
⇒タイヤが、これまで1ドライバーに5本のみ供給されて予選とレースを戦っていたが、それが2レースに伸ばされる。ミシュランは、溝のある市販用のような一見”普通のタイヤ”を供給しているが、これを2レース持たせるとなると、タイヤの使い方は、2ndシーズンのキモになるかもしれない。
⇒ミシュラン・タイヤの供給契約は、一端切れる。
◆3rdシーズン(2016-2017)
⇒バッテリー容量が28kwから33kwに増加。レースの最大パワーが170kwから200kwに増える。さらにファン投票によるパワーアップする”FUN BOOST”で250kwまで増強できる。
⇒契約が終了したミシュランの代わりにブリヂストンがタイヤ供給を行なう噂が出ている。
⇒ドライバーを含む最低重量が、1stシーズンから46kg減らされ、850kgに。
◆4thシーズン(2017-2018)
⇒基本的に3rdシーズンを踏襲。
◆5thシーズン(2018-2019)
⇒バッテリーが40kw/hとさらに増強されるが、最大の関心は、”Mobile Aero”と呼ばれるボディワークが自由になくことと、駆動形式が、4thシーズンまでのミッドシップ/リヤエンジンから、AWDとFFになること。つまり、コストダウンのために共通のモノコックが義務づけられるが、ボディカウルと駆動方式にAWD(四輪駆動)が採用されることになり、マシン能力に差つくことになる。ここから、本格的なフォーミュラE新時代の幕開け、ということになるだろう。
⇒一端850kgに下がった最低重量は、AWD化を見越して888kgになる。
photo by Formula E