室屋が泣いた–レッドブル・エアレース千葉大会
室屋が泣いた。
2016レッドブル・エアレース第3戦千葉大会が6月5日に千葉県幕張海岸で行なわれ、日本人パイロットの室屋義秀が、25年間のエアレースの歴史の中で、本人はもちろん、日本人として初めて優勝した。そして、その舞台は日本というハットトリックウィンだった。
レッドブル・エアレースのパイロットで、最も集中力が高く努力家と言われる室屋は昨年、初めて行なわれた日本大会で、ベストタイムを記録しながら規定の数値を越える”オーバーG”で失格となったが、その雪辱を期して臨んだ今回は、終始安定したフライトを見せ、14機、8機、4機と絞られるトーナメントを勝ち抜き、最後に残った4人の中で唯一の唯一分4秒台を記録して勝利を飾った。完璧なフライトだった。
室屋は、ライバルがタイムを上回れず優勝が決まった直後のインタビューに、「なんとも言葉がない」とコメントしたか、涙声になって”Sorry”と言葉に詰まった。
ファイナル4の対戦相手は、一昨年のチャンピオン、60歳のベテラン、ナイジェル・ラム。今年で引退を決めているラムも室屋に届かなかった。
過去最高位の6位を大きく更新した室屋を讃え、幕張の海岸に君が代が鳴り響いた。
次のレースは、ハンガリーのブダペスト。7月16-17に決戦が行なわれる。勝ちを覚えた室屋。またひとつ、レッドブル・アエレースの楽しみが増えた。
photo by REDBULL/[STINGER]