雨に翻弄され、延期に次ぐ延期ときわどいクラッシュ–2016インディカー第9戦決勝
染みだした水で翌日に延期されたレースは再び雨に停められた。
2016インディカー第9戦『ファイアーストン600』は、雨にかき回され、延期に次ぐ延期で翌日にスタートしたが、再び降り始めた雨で中断、今週末のスケジュールも検討されたが、週末までの降水確率や、路面の修復を考慮して、8月26日土曜日にナイトレースとして行なうことになった。
テキサス州テキサス・モータースピードウェイでのオーバルバトルは、当初、土曜日の夕方にスタートするナイトレースとして予定されていたが、昼過ぎまで降ったテキサスとしては珍しい激しい雨のため、コースから水が染みだして乾かず、4時間に渡る乾燥作業の甲斐なく翌日に延期された。
一夜明けた日曜日の14時15分のスタートも、染み出しが止まらない状況で乾燥作業が続けられ、さらに30分のディレイ。14時45分にやっとのことでスタートにこぎ着けた。
しかし、混乱は納まらず、42周目にかかったところで、コナー・デイリーがスピンして右脇にいたジョセフ・ニューガーデンのいく手を阻んだ形で2台はもつれるようにクラッシュ!! 一端は離れた2台が再び接触してニューガーデンのマシンが転倒、デイリー車がコンクリートウォールに押しつける形でマシンは激しく破損した。
ニューガーデンのマシンはドライバーの頭部を護るためのロールバーが破損し、クラッシュの激しさを物語っていた。
ニューガーデンは、レスキュー舞台の助けをかりつつも自力でコクピットを降りたが、その後、崩れるようにコース上に倒れ、ヘリコプターでパークランド・ハモリアル・ホスピタルに運ばれ、右手首と鎖骨の骨折が判明した。
この事故でのイエローコーション状態が30周続き、71周を消化したところで激しい雨がコースを叩いてレース続行が不可能に。レースは正式に延期されることが決まった。
中断した段階で、ホンダ・エンジンのジェイムス・ヒンチクリフがトップ、ホンダ・エンジンが1-2-3を占めていた。
予選4番手と好位置からスタートした佐藤琢磨は、スタート直後にスピードに乗れずに大きく順位を落し、17番手で延期戦を待つことになった。
◆2016インディカーシリーズ第9戦途中経過トップ10
1. ヒンチクリフ H
2. ハンターレイ H
3. アレシン H
4. パワー C
5. カーペンティア C
6. シャベス H
7. カストロネベス C
8. キンボール C
9. ムニョス H
10. モントヤ C
17. 佐藤琢磨 H
※H=ホンダ / C=シボレー
Photo by INDYCAR / Chris Owens