残り2分の大どんでん返し!! トヨタが泣き、ポルシェが笑った–第84回ルマン24時間
まさしく最後の最後に笑ったポルシェ。これこそが”底力”。
フランスの伝統の一戦、世界三大レースのひとつであるフランスのルマン24時間レースは、19日15時にゴールしたが、レースの大半をリードしたトヨタTS050 HYBRIDが、ゴールまで数分のところで突然ストップ。トヨタTS050 HYBRIDの駿足の前にいく手を阻まれていたポルシェ919 HYBRIDが、金星を拾った。
激しい雨でセフティカーに先導された静かなスタートを切った24時間レースは、最後にすべての人を仰天させる驚きの結果で幕を閉じた。
優勝したのは、パンクで後退しながら、終盤、トップに君臨していた5 トヨタTS050 HYBRIDの背後で我慢の走りを強いられ、2位に甘んじたと思われていたポルシェ・チームのセカンドカーであるゼッケン2ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リエベ組のポルシェ919 HYBRIDだった。
5 トヨタTS050 HYBRIDは、アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴組で、ペースを緩めずに逃げきり態勢に入っていた。最後にコントロールラインを横切って最終ラップに突入するはずだったトヨタTS050 HYBRIDのコクピットから、最終ランナーとしてステアリングを握っていた中嶋一貴の、「ノーパワー、ノーパワー」という悲痛な叫びが無線でピットに届き、白地に赤と黒のマシンは、力なくコントロールライン先で停止した。
周回数では2番目となった5 トヨタTS050 HYBRIDだったが、ルマンには、チェッカーフラッグ優先の規則があり、チェッカードフラッグを受けられなかったことで、45位の判定となった。
代わって2位にはステファン・サラザン/マイク・コンウェイ/小林可夢偉組の6 トヨタTS050 HYBRIDが食い込んだ。6 トヨタTS050 HYBRIDは、可夢偉の手でファステストラップを記録し、トップを走る場面もあったが、GTクラスの車両との接触やコースオフなどにも見舞われ、終盤は、3周遅れを余儀なくされていた。
GT-Proクラスでは、GT40での初勝利から50周年を記念してデビューしたフォードGTと、50年前と同じ宿敵フェラーリの激しいバトルが展開、インディカーでおなじみのチップ・ガナッシが総指揮を執った4台のうち、インディカードライバーとして活躍中のセバスチャン・ブルデー組の68号車が、ジャンカルロ・フィジケラ組を押し退けて優勝した。
第84回ルマン24時間トップ10
1. LMP1-1 2 ポルシェ919Hybrid
2. LMP1-2 6 トヨタTS050 HYBRID
3. LMP1-3 8 アウディR18 e-toron quattro
4. LMP1-4 7 アウディR18 e-toron quattro
5. LMP1-5 36 Alpine A460 – Nissan
6. LMP2-1 26 Oreca 05 – Nissan
7. LMP2-2 27 BR01 – Nissan
8. LMP2-3 42 Gibson 015S – Nissan
9. LMP2-4 33 Oreca 05 – Nissan
10. LMP2-5 41 LIGIER JS P2 – Nissan
18. GT-Pro-1 68 Ford GT
19. GT-Pro-2 82 Ferrari 488 GTE
26. GT-Ama-1 Ferrari 458 Italia
27. GT-Ama-2 Ferrari F458 Italia
photo by PORSCH