WECトヨタにマイクロソフトがジョイント!!
ボディサイドにMicrosoftが掲げて発表されたヤリスWRC仕様。
9月29日、10月13日までの予定でスタートしたフランス・パリの『パリ・ショー』( Mondial de l’Automobile 2016)の会場で、トヨタ自動車株式会社は、来年から参戦を開始するWRC(FIA世界ラリー選手権)で、マイクロソフトと協力関係で合意したことを発表した。
マイクロソフトは、WRCに参戦するTOYOTA GAZOO Racingの「テクノロジー・パートナー」として参画、会場には、ボディサイドに『Microsoft』のロゴが描かれたヤリス(ヴィッツの欧州名)を改造したWECカーが展示され、豊田章夫社長自らが、英語でプレゼンテーションを行なった。
WRCの説明の中で、トヨタのWRCプロジェクトを牽引する4度のWRCワールドチャンピオンであるトミ・マキネンが紹介されたが、マイクロソフトは、マキネン率いるチームの活動やデータ共有のための情報プラットフォームを開発、活動を強化する一方、極限走行の車両から得られる情報を集約し、最先端のデータ解析を行なうことで、トヨタが標榜する「もっといいクルマづくり」に向けたデータの研究、活用を行なうという。
マイクロソフトの担当は、以下の3点になる。
1.走行中のデータ分析プラットフォームの開発
・・・・走行に関わる各種情報を集約・可視化し、分析することで、レース活動にデータを活用。
2.チーム活動の情報共有システムの活用
・・・・クラウドを利用し、画像や動画などの各種素材をより円滑に共有し、効率的・効果的な情報発信活動を支援する。
3.ファンとのコミュニケーション強化
・・・・クラウドを活用したファン向けサービスの提供や、イベントにおけるマイクロソフトの展示デバイス使用などを通じ、レース活動を魅力的かつ、スピーディーにファンの皆様に届ける。
なお、マイクロソフトとトヨタは、すでに本年1月に、ビッグデータの収集、分析、利活用を目的とする「Toyota Connected, Inc.」を設立しており、WRCでの「テクノロジー・パートナーシップ」は、その延長線上にある。
豊田章男社長は「マイクロソフトが目指すより豊かな社会の実現に向かう志は、私たちと同じだと確信している。今までの協力関係をベースに、モータースポーツにITを活用していくことで人とクルマを更に鍛え、今後も『もっといいクルマづくり』を推し進めていく」と語った。
一方、WEC(世界耐久選手権)ではポルシェ919HybridのスポンサーとしておなじみのDMG森精機が、パナソニック株式会社と共に、WRCのパートナーとして基本的合意に達しているという。
また、タイヤの供給メーカーとして、WECと同じくフランスのミシュランのロゴが表示された。
トヨタは、ラリーを「もっといいクルマづくり」推進の舞台として捉え、2017年からの参戦に向け、トミ・マキネンをチーム代表とし、準備を進めている。マキネンが、かつてのトヨタのWRC活動を支えたオベ・アンダーソンのように、ドライビングと同じ手腕をチーム運営に発揮できるかどうか注目されている。
photo by GAZOO