国本雄資戴冠!! S.ヴァンドーン有終の美–2016スーパーフォーミュラ最終戦『JAF GP』決勝
国本雄資の初のシリーズチャンピオンとチームタイトルを決めたセルモ・インギング・チーム。
悲喜こもごもの、しかし清々しいレースだった。
2016スーパーフォーミュラの最後を飾る戦いが、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで2レースを行ない、迫真バトルの末に、石浦宏明とS.ヴァンドーンが今期2勝目を飾った。
12人がチャンピオンの権利を持つ注目のタイトルマッチは、レース1でダッシュよく飛び出した国本雄資が最後まで集中しきった完璧なレースで先勝。
この結果、国本雄資、石浦宏明、A.ロッテラー、関口雄飛の4人だけに権利が残ったレース2では、S.ヴァンドーンがスタートで飛び出し、セフティカーが二度入る荒れたレースで、追いすがるA.ロッテラーを封じ込んで完全制覇を飾り、来年マクラーレン・ホンダでのF1デビューへの手土産にした。
レース1に勝ち、レース2で6位に入った国本雄資がシリーズチャンピオンを決めた。
ポイントリーダーで鈴鹿入りした関口雄飛は、土曜日の予選で2レースとも13番手グリッドという厳しいポジションからのレースとなったが、レース1ではS.ヴァンドーンとギリギリのバトルを展開して観客の目を釘付けにし、激しいバトルから軽く追突してS.ヴァンドーンをスピンに追いコンだカドで30秒加算のペナルティを受けたが、レース2では8位まで挽回して最後まであきらめないレースを見せた。
レース2を制圧したS.ヴァンドーン。この勝利を手土産に、2017年はマクラーレン・ホンダでF1へ。
優勝のS.ヴァンドーンは、
「今年1年間経験させてもらったスーパーフォーミュラはグレイトシーズンだった。応援してくれたみなさんにお礼を言いたい」
「今朝はうまくいかなかったけれど、最後に勝ててうれしい。来年はF1でがんばります」
「F1最初の来年、スーパーフォーミュラで勉強したことを活かして鈴鹿に戻ってきます。本当にありがとうございました」
とコメントした。
レース1を完璧に集中して優勝してチャンピオンに弾みをつけた国本雄資。
チャンピオン国本雄資は、
「第一レースを勝たなければ権利がなかった。第2レーススタートを失敗して、1日でいいことと悪いことがあったけれど、今週は、ボクに流れが来ていたので、絶対にチャンピオンを取ってやると思って走りました」
「インギングで6年、いい時も悪い時も、心配してくれていいクルマを準備してくれました。お父さんが見に来てくれていて、小さいころからカートをやっていて、たくさんの応援を周囲の人がしてくれて、本当にみなさんのおかげだと思います。ありがとうございます」
と喜びをコメントした。
また、国本と石浦の所属するチーム、P.MU/CERUMO・INGINGが初のチームタイトルを獲得した。
◆スーパーフォーミュラ最終戦結果
レース1(19周)
1. 国本雄資 P.MU/CERUMO・INGING / T
2. A.ロッテラー VANTELIN TEAM TOM’S / T
3. 石浦宏明 P.MU/CERUMO・INGING T
4. 野尻智紀 DOCOMO TEAM DANDELION RACING / H
5. 中嶋一貴 VANTELIN TEAM TOM’ / T
6. B.バゲット NAKAJIMA RACING / H
7. 小暮卓史 H DRAGO CORSE / T
8. J.P.DE.オリベイラ ITOCHU ENEX TEAM IMPUL / T
9. 小林可夢偉 SUNOCO TEAM LEMANS / T
10. 中嶋大祐 NAKAJIMA RACING / H
レース2(35周/タイヤ交換義務づけ)
1. S.ヴァンドーン DOCOMO TEAM DANDELION RACING / H
2. 石浦宏明 P.MU/CERUMO・INGING / T
3. A.ロッテラー VANTELIN TEAM TOM’ / T
4. 野尻智紀 DOCOMO TEAM DANDELION RACING / H
5. 国本雄資 P.MU/CERUMO・INGING / T
6. 塚越広大 REAL RACING / H
7. B.バゲット NAKAJIMA RACING / H
8. カーティケヤン SUNOCO TEAM LEMANS / T
9. J.P.DE.オリベイラ ITOCHU ENEX TEAM IMPUL / T
10. J.ロシター KONDO RACING / T
※H=ホンダ・エンジン / T=トヨタ・エンジン