フェラーリ、F1撤退も視野に
FIAが予算案の見直しを行わない限り、来年のF1に参戦することはないとするフェラーリ。
12日、ルカ・ディ・モンテゼモロ会長が議長を務めたフェラーリの取締役会が、チームの拠点であるマラネロで行われた。
ここで一番の議題となったのは、2010年から導入予定のF1参戦チームの年間予算案に関する問題について。これについて答えを出したフェラーリは、以下のような声明を発表した。
「F1が、初めて2つのレギュレーションを持つことになろうとしている。今後、これがF1の常識になるならば、フェラーリとしては、F1に参戦する根本的な理由がなくなることを意味している」。
「FIAは、今回の年間予算案を、F1に参加するチームと話し合いを持たず、独断で決定した。そのことに、我々は失望している」。
「今後の最優先事項は、全チームが同じ条件でレースに参加すること、FOTA(全チームからなる組織)が段階的に取り組んできたコスト削減への努力を持続させること、それから、F1を統治することだ。これらが尊重されず、2010年の年間予算案が変更されない場合、フェラーリは来期のF1GPにエントリーすることはない」。
「我々は、今回下した難しい決断が、協議と技術的な発展を目指すチームとしての判断だということを、世界中のフェラーリ・ファンが理解してくれるものと信じている」。
※F1参戦チームの年間予算案(バジェット・キャップ)
FIAが2010年から導入しようとしている年間予算案は、基本的に4000万ポンド(59億円)を上限とするもの。予算がそれを上回っても問題はないが、限度内に予算を抑えると、現在は制限されている一部の制限が解除され、レースを有利に戦えることとなる。このように、2つのレギュレーションがF1に存在することに反対しているBMWザウバー、レッドブル・レーシング、パナソニック・トヨタ・レーシングは撤退も辞さない構え。