GP2で”闘う”小林可夢偉
スペインGPのサポートレースで開幕したGP2ユーロシリーズは、イギリスGPで四大会目。GP2アジアのチャンピオンを奪った日本期待の小林可夢偉は、カムイ・バッシングとも取れそうな車両レギュレーション変更で苦しいシーズンを進めている。
最低重量をクリアーするために搭載が義務づけられるバラストの位置は車両の前部下側と指定されている。このため、小林可夢偉のように小柄なドライバーは、マシンがフロントヘビーな状態になり、結果としてリヤのトラクション不足になるというセッティングの苦労を背負うことになった。
しかし、チームやTDPとして所属するトヨタがエンジニアリングを総動員して解決の糸口を見つけ、スペインで2秒近くあったトップとの差を1戦毎に削り取り、その差を1秒以内に持ち込んでイギリスGPを迎えていた。
金曜日に行なわれた予選で可夢偉は10番手、ルノーの秘蔵っ子として別格待遇(?)でポールポジションを奪ったロメイン・グロジャンを除けば、ライバルとの差をコンマ6秒ほどに縮めて進化を証明していた。
土曜日15時からの第一レースで可夢偉は、スタートでポジションを守り、1コーナーの混乱もうまく切り抜けたが、続くS字区間でスタートダッシュを決めて前に出ていたマルトラがスピンして可夢偉の右後輪に接触するもらい事故でレースを失う結果となった。
日曜日朝の第二レースの可夢偉は、最高列からスタートして数台を抜いて26台中17位でゴールしたが、今週もフラストレーションを吹っ切るレースをみせることができなかった。
レースは、土曜日の第一レースをピケ・スポーツのヴァレリオが、日曜日の第二レースをARTのマルドナルドが優勝。シリーズは、グロジャンがリードしている。
【STINGER / Yamaguchi Masami】