重量発表で作戦が見えた!!
◆新記録!?
2009年第13戦イタリアGPで、”新記録”生まれた。スタート時の参加車両20台の燃料搭載が今年最大になった。700kgを超える車両が6台もある!!
この”記録達成”のカギは、タイヤが握っている。金曜日恒例の会見で、ブリヂストンの浜島裕英モータースポーツタイヤ開発総括責任者は、「柔らかい方のタイヤでもはハーフディスタンス(決勝レースの半分の距離)を走りきれる」とコメントしていた。
柔らかい側が半分持つなら、硬い方はもっと距離を稼げるはずで、つまり、”供給される2種類のタイヤをいずれも使わなければならない”という義務付けの中で、1回だけのタイヤ交換で大丈夫、ということが見えていた。
さらに、モンツァのコースは、スピード制限のあるピットロードが長く、並行して走るストレートが高速な分だけ、ピットインのタイムロスが多くなることから、ピットインの回数は減らすのが常套な作戦になるが、発表された重量から判断すると、およそ680kgがレース距離の半分を走れる計算になることから、ほとんどのチーム、というより、ハミルトン+マクラーレン、ライコネン+フェラーリ、そしてスーティル+フォース・インディア以外はすべて”1回ピット”の作戦を選んだことになる。この3人は、そっくりそのままトップ3なのだ!
◆超混沌のレース
となると、トップ3はとにかく逃げたい。逃げまくって、他より1回多いピット作業の時間を稼がなければならない。対する1回作戦のドライバーたちも、それぞれ”秘策”を持って搭載量を決めている。レース終盤、1回給油のトップ3と、重さによってピットインの周回数がずれてくるドライバーの中で、周囲の状況や天候で喜怒哀楽が大きく動く可能性がある。
もしかすると何らかのアクシデントでセーフティカーでも入ろうものなら、レースは大混乱で思わぬ結末になるかもしれない。
イタリアGPは、モンツァの神の仕業か、思わぬドラマの舞台になることが多い。2009年第13戦も、ドラマチックな展開が待っていそうだ。
予選順位 | No. | ドライバー | チーム | 総重量 | STG重量 | 目安 |
1 | 1 | ハミルトン | マクラーレン | 653.5kg | -17kg | ▽▽▽ |
2 | 20 | スーティル | フォースインディア | 655kg | -15kg | ▽▽▽ |
3 | 4 | ライコネン | フェラーリ | 662kg | -8kg | ▽ |
4 | 2 | コバライネン | マクラーレン | 683kg | +13kg | ▲▲ |
5 | 23 | バリチェロ | ブラウン | 688kg | +18kg | ▲▲▲ |
6 | 22 | バトン | ブラウン | 687kg | +17kg | ▲▲▲ |
7 | 21 | リウッツィ | フォースインディア | 679kg | +9kg | ▲ |
8 | 7 | アロンソ | ルノー | 677.5kg | +7.5kg | ▲ |
9 | 15 | フェッテル | レッドブル | 682kg | +12kg | ▲▲ |
10 | 14 | ウェーバー | レッドブル | 683kg | +13kg | ▲▲ |
11 | 9 | トゥルーリ | トヨタ | 703kg | +33kg | ▲▲▲▲ |
12 | 8 | グロジャン | ルノー | 699.8kg | +29.8kg | ▲▲▲▲ |
13 | 5 | クビツァ | BMWザウバー | 697.5kg | +27.5kg | ▲▲▲▲ |
14 | 3 | フィジケラ | フェラーリ | 690kg | +20kg | ▲▲▲▲ |
15 | 6 | ハイドフェルド | BMWザウバー | 697.5kg | +27.5kg | ▲▲▲▲ |
16 | 10 | グロッグ | トヨタ | 709kg | +39kg | ▲▲▲▲ |
17 | 17 | 中嶋一貴 | ウィリアムズ | 706.2kg | +36.2kg | ▲▲▲▲ |
18 | 16 | ロズベルグ | ウィリアムズ | 708.6kg | +38.6kg | ▲▲▲▲ |
19 | 12 | ブエミ | トロ・ロッソ | 706kg | +36kg | ▲▲▲▲ |
20 | 11 | アルゲルスォリ | トロ・ロッソ | 706kg | +36kg | ▲▲▲▲ |
<目安>
*670Kgを基準値として、重くなる場合は▲、軽くなる場合は▽
*▲と▽は、一つ=0~10kg、二つ=10~15kg、三つ=15~20kg、四つ=20kg以上