重量発表で作戦が見えた!!(Rd15日本GP)
◆トップ3のスタートに注目!
日本GP予選終了後に公表された各マシンの重量データは、世界で最もチャレンジングと言われる鈴鹿サーキットを証明する面白い傾向を示すものとなった。
予選トップ8の重量の差が、5.5kg以内に納まっている。8位のライコネンを除けば、その差は僅か4.5kg。この数値は鈴鹿サーキットが、燃料搭載量による作戦を絞り込まざるを得ないことを意味しているのかもしれない。
また、フロントローの2台は、走行ライン上でグリップに有利なグリッドからスタートするフェッテル+レッドブルが、ダーティ・サイドからスタートするトゥルーリ+トヨタより3kg重く、両者のダッシュ力は相殺されるとも言えるが、問題は3番手のハミルトンがトゥルーリよりも軽いことだ。
L.ハミルトンは、走行ライン上からスタートできる上に、マクラーレンにはKERSという武器がある。スタートのタイミングが同じなら、トゥルーリ+トヨタは1コーナーまでにハミルトン+マクラーレンに交わされることになる。
また、トゥルーリ+トヨタとハミルトン+マクラーレンの燃料の差は500g。常識的には、同じタイミングで最初のピットインをすることになるはずだが、給油のタイミングが違った場合、トヨタ・エンジンとメルセデス・エンジンの燃費の差を見ることができるかもしれない。
◆中嶋一貴にジャンプアップの可能性も?!
また、中嶋一貴+ウィリアムズは、20台中最も重い695.7kgの重量でスタートする。フュエル・エフェクト(重量のタイムへの影響)が大きい鈴鹿だけに、特に序盤は苦戦を強いられるはずだが、裏を返せば、セフティカーの導入される波瀾が起きたときには、そのタイミングによっては大きくジャンプアップできる可能性を持っていることになる。
予選順位 | No. | ドライバー | チーム | 総重量 | STG重量 | 目安 |
1 | 15 | フェッテル | レッドブル | 658.5kg | -11.5kg | ▽▽ |
2 | 9 | トゥルーリ | トヨタ | 655.5kg | -14.5kg | ▽▽ |
3 | 1 | ハミルトン | マクラーレン | 656kg | -14kg | ▽▽ |
4 | 20 | スーティル※1 | フォースインディア | 650kg | -20kg | ▽▽▽▽ |
5 | 23 | バリチェロ※1 | ブラウン | 660.5kg | -9.5 | ▽ |
6 | 6 | ハイドフェルド | BMWザウバー | 660kg | -10kg | ▽▽ |
7 | 22 | バトン※1 | ブラウン | 658.5kg | -11.5kg | ▽▽ |
8 | 4 | ライコネン | フェラーリ | 661kg | -9kg | ▽ |
9 | 2 | コバライネン | マクラーレン | 675kg | +5kg | ▲ |
10 | 12 | ブエミ※2 | トロ・ロッソ | 665.4kg | -4.6kg | ▽ |
11 | 16 | ロズベルグ | ウィリアムズ | 684.5kg | +14.5kg | ▲▲ |
12 | 7 | アロンソ※1 | ルノー | 689.5kg | +19.5kg | ▲▲▲ |
13 | 5 | クビツァ | BMWザウバー | 686kg | +16kg | ▲▲▲ |
14 | 11 | アルゲルスォリ | トロ・ロッソ | 682.5kg | +12.5kg | ▲▲ |
15 | 3 | フィジケラ | フェラーリ | 661.5kg | -8.5kg | ▽ |
16 | 17 | 中嶋一貴 | ウィリアムズ | 695.7kg | +25.7kg | ▲▲▲▲ |
17 | 8 | グロジャン | ルノー | 691.8kg | +21.8kg | ▲▲▲▲ |
18 | 21 | リウッツィ | フォースインディア | 682.5kg | +12.5kg | ▲▲ |
19 | 10 | グロッグ※3 | トヨタ | —-kg | —-kg | |
20 | 14 | ウェーバー※3 | レッドブル | —-kg | —-kg |
<目安>
*670Kgを基準値として、重くなる場合は▲、軽くなる場合は▽
*▲と▽は、一つ=0〜10kg、二つ=10〜15kg、三つ=15〜20kg、四つ=20kg以上
※1 黄旗中に十分減速をしなかったため、5グリッド降格。
※2 クラッシュ後、ダメージを負ったマシンでピットに戻ったことが他のドライバーへの危険行為として、5グリッド降格。
※3 ピットスタートの為、重量発表無し。