新居TCD木曜日会見全録 ブラジルGP
◆鈴鹿と同じように、クルマはここには”合って”いる
新居章年技術コーディネーション担当ディレクター(以下、新居) ご承知のように、ティモの背骨に損傷が発見され、ティモは残念ながらここには来ておりません。ということで、今回は、小林可夢偉くんが乗ります。
天気は、明日(金曜日)はドライで、土曜日と日曜日は雨という予報です。可夢偉は(ここは)初めてですから、明日はしっかり走り込めればいいなと思ってます。
クルマ的には、このコースは、鈴鹿同様”合ってる”方ではないかと思ってます。鈴鹿と同じか、あるいはちょっと少ないダウンフォースで行けるのかな、と。また去年にしても、ここはトヨタにとって、ポイントはともかく、予選にしてもレースにしても、割りと”いい”サーキットなので。ヤルノも、去年は予選2位でしたし。……ということで、今回も(うちに)チャンスがあるかなと思ってます。
クルマの方は、どこが違うかなといえば、エンジン・カバーのところの突起を取ったとか、そのくらいですね。
—-ティモ選手の鈴鹿・最終コーナーでのクラッシュですが、データ的にはクルマには問題はなかったということですが、その後、何か?
新居 あれは、ティモ自身も、少し(ドライビングの)ミスがあったということを言っているので……。(コーナーの)出口のところで、クルマの向きが違っていて、でも、そのまま(アクセルを)踏んで、そうやっても行けるのだという意識があったのかもしれない。本人としては、コースアウトするまで、頑張ろうという意識が強くて、(アクセルを)踏んだままで行ってましたね。
クルマの方は、データ上もおかしくなかったし、ステアリング系とかチェックしたんですけど、異常はなかった。ですからあれは、ティモがメイン(主たる原因の事故)だったと思ってます。
◆アブダビでのドライバーは、ブラジル後に決める
—-ティモの背骨というのは、ティモ自身も痛みを訴えている?
新居 いえ、そんなに(痛みは)感じてないんですって。鈴鹿では、ぼくらにしても、足のケガの方を気にしていて。でも、そのあとのチェックで、腰からちょっと上の背骨にクラックが入ってる、と。そして何人かのドクターの意見も聞いて、でもどのドクターも(レース出場は)やめた方がいいという判断だったので。
—-それはドイツで?
新居 はい、ドイツのドクターですね。
—-全治どのくらい、といった診断は出ている?
新居 それは、まだ、ないです。ブラジルが終わってから、もう一度チェックしてみて、アブダビはどうするかを決めようと思ってます。
◆ステアリングは、可夢偉仕様になった
—-クルマとしては、あのときのクラッシュで、モノコックを換えてますね。それがいま、可夢偉選手が乗るクルマになっている?
新居 そうです。ステアリングは、可夢偉くんが好きなように準備してます。
—-可夢偉選手への、新居さんの、そしてチームの期待は?
新居 鈴鹿のときは、クルマを次の日はティモに渡さなければいけないということで、本人(可夢偉)としても慎重に走っていたと思いますけど、今回は、彼自身にもチャンスだと思うんで、私としては、元気で走ってほしいな、と。それだけです。
思わぬカタチで来たチャンスかもしれませんけど、でも、それ(このチャンス)を掴んでほしいですね。
—-山科さんは、Q3に行かないと、という話をされていましたが?
新居 Q3に行ったら、合格点ですね! Q2だったら、バンザイです。まあ、そんなところだと思いますよ。(今回のここは)ずーっとドライということでもないだろうし、いろんなことがありそうだし。そういう意味ではね、新しい人(ルーキー)には不安な材料もあるかなと思うんですけど。
—-土曜以降は、完全にウエットなんですか?
新居 天気ですか? 明日は(降水確率は)20から30%ですから、曇っていても降らない、と。ただ、夕方になるほど、レイン・リスクは上がります。気温は20度くらいで、路面温度も20〜25度くらい。
土曜日は、朝が30〜50%、昼(午後)は50〜70%というレイン・リスクです。温度が19〜21度、午前中。午後は21〜22度。風は、三日間通して南風、向きが変わらないので、その意味ではいいかなと思ってます。
そして日曜日の午後が、50〜70%のレイン・リスク。気温がちょっと上がって、22〜23度。ただ、このへんの雨というのが、どういう降り方をするのかが、ちょっとよくわからない。
今日もコース上では、水を切る(流す)工事をしてますけど、雨が降ると、ここは、止むまで待つしかないという場合もありますし。
—-可夢偉選手に、新居さんがブラジルでの起用を話したときは?
新居 電話で、(起用決定の)メール見たよね?という話をして……。彼、(いつも)淡々としてますけど、今回は、けっこう緊張してるよという話もあって(笑)。彼なりに、プレッシャーは感じているようです。