中嶋一貴 決勝後会見全録 アブダビGP
◆うまく行かない一年、学んだ一年……
—-今年一年を振り返ると?
中嶋一貴(以下、一貴) そうですね、なかなか、一年通してうまく行かないシーズンではありましたけど。ただ、うまく行かないなりに、たくさん学ぶこともありましたし。その分、フラストレーションが溜まることも多かったですけど。
最後、あんまりスッキリというレースでもなかったですけど、でも、55周、きっちり最後まで走りきって……ですから、あまり悔いはないですね。
—-今日のレースのペースは、どうでした?
一貴 うーん、まあワンストップで、自分のファースト・スティントの最後に、ツーストップのクルマに、前に入られてしまって。今年何回も見たような……(笑)展開になってしまいましたけど。そこまでのペースが、まあ、もうひとつというところもありましたけれど、最後は、自分のペースで走れたので。路面とタイヤも、最後はマッチして、その部分では手応えもありましたね。
—-スタートは?
一貴 スタート自体はあまりよくなくて。1コーナーに入っていったら、もう、コバライネンが横にいるような状態で。向こうは KERS を積んでるし、離れていくし、後ろからはリウィッツイも来るで。スタートしてからの1〜2周は、抜いたり抜かれたりがかなりあったんで、そこでポジションをキープできたのは、何とか、よかったと思います。そのあとは、もう”クルマなり”に、55周、ずっとプッシュし続けるしかなかったんで。
—-タイヤ、二つ目のソフトの方は?
一貴 最後、タレもあんまりなかったですし、コンディションがよくなってきて、タイヤと路面のマッチングがよくなってきたときには、タイムもそこそこ出たんで、手応えとしては悪くなかったし。
前半、硬い方のタイヤで、アンダー(ステア)も強かったし、タイム的にももうひとつで、それがちょっと残念ではありますけど。
—-ファースト・スティント?
一貴 そうです。
◆レースの全体を、どう組み立てるか?
—-先ほど「学んだ」ということがありましたけど、それはたとえば?
一貴 そうですね、レースの組み立て方とか戦略とか、あとは、ピットのイン/アウトも含めて、そういう部分の大事さというのを、すごく痛感した一年でしたね。あとは、予選も含めての(レース全体の)「組み立て」ですね。金曜から予選までというのは、去年と較べても、いい感じで成長できてると思うんで、そこからレースまで、ですね。まあ、なかなかうまく行かなくて、うまく行かないがゆえに学んだ、ということです。
—-クルマつくりに関しては?
一貴 クルマについては、ぼくとエンジニアとで、自分のクルマを少しでもよくできるように、やってきているんで、それに関しては何も……。
–—可夢偉くんには、レース後に会いましたか?
一貴 はい、おめでとうとは言いましたけど。まあ、オイシイところ持って行かれた感は、なくもないですけど(笑)。でも、すごいいいペースで、ワンストップで、いいカタチでレースしてたと思うんで。
—-いいところを返してくれって?(笑)
一貴 まあ、それまでに自分が取っておかなければいけないレースがいくつかあったんで……。人は人、自分は自分、ということで(笑)。
—-ピットガレージでは、メカニックと?
一貴 そうですね、ウイリアムズでは最後のレースになるんで、そのことを……。
—-みんなの反応は?
一貴 3年間、ありがとう、と。ぼくの方も一緒ですけどね。来年、また、ピットで会いましょう、と。
—-今年一年を、ザックリまとめると?
一貴 充実感という部分では、去年よりも充実してますけれども、結果という部分では、まあご覧の通りなので……。なかなか、噛み合ってないなあ!というのが、今年の印象ですね。