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トヨタF1撤退会見全録-1/3

◆11月4日水曜日、最終戦アブダビGPから3日後、トヨタ自動車が、突然、会見を開いた。
以下、その全録をお届する。

*[STINGER]では、追って、下線部分について、“拝啓トヨタ自動車様”と題して、リンク解説を追記する予定。

司会 お待たせいたしました。本日は、お忙しい中、またこのような遅い時間に関わりもせず急遽お集まりいただきましてまことにありがとうございます。ただいまより、モータースポーツ活動に関します記者会見を始めさせていただきます。
まずはじめに、本日の出席者を紹介させていただきます。社長の豊田章男でございます。
モータースポーツを担当しております、専務でTMG、トヨタ・モータースポーツ有限会社会長の山科忠でございます。

司会
 それでは豊田よりご説明申し上げます。

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豊田章男社長(以下、豊田) 豊田(とよだ)でございます。お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。本日お伝え申し上げますのは、F1の、についてでございます。弊社は、2002年以降、8年間にわたりF1に参戦して参りました。社内の取締役会にて、議論しました結果、本年をもって参戦を(僅かに言いよどむ)終了いたすことにいたしました。

この8年間、ご支援いただきましたファンの皆様、スポンサーの皆様、メディアの皆様、そしてF1を通じ、クルマの魅力を全世界にアピールし続けて下さったレーサーや関係者の皆様に心より御礼申し上げたいと思います。

先日も鈴鹿で行なわれた日本グランプリを観戦させていただきました。ファンの皆様の熱狂ぶりや、弊社F1チーム、パナソニック・トヨタ・レーシングの素晴らしいチームプレー、そしてその走りに心の底から感銘を受けました。ファンの皆様のことを考えますと、身につまされる思いでありますが、現在の経営環境や、中長期的な観点から苦渋の決断をせざるを得なかったことを、どうかご理解賜りたいと、存じます。

ファンの皆様からは、来年こそ頑張れと激励いただいておりましたが、ご期待にお応えできず、心からお詫び申し上げます。

トヨタのF1チームは、合計140戦に参戦し、一戦一戦を闘い抜く中で、確実に実力を向上させて参りました。世界の強豪の中で闘い続けたチーム関係者の不断の努力に敬意を評するとともに、夢を分かち合えたことに心から感謝申し上げたいと思います。

本年6月に社長に就任して以来、私は商品を軸とした経営に重点を置きたい、と申し上げて参りました。すなわち、味わいのあるクルマを作り、お客様に、1台1台を大事にお届けし、喜んでいただきたい、ということであります。

私どもといたしましては、今はこれらのことに会社のリソーセスをできる限り、シフトすべきであること考え、まことに残念ながら、F1を続けることができなくなった次第でございます。

ご存じの通り、トヨタの経営は、引き続き、厳しい状況です。ただ、こういう時だからこそ、次の世代に何を残さなければならないのか、ということを、原点に帰り考えるべきだと思いました。自動車を通じて豊かな社会作りに貢献しというのがトヨタの創業時からの考え方であり、これからも、自動車文化の一層の推進に向け、様々な活動を続けていきたいと思っております。

モータースポーツについても、その活動計画を見直し、お客様によりクルマを身近に感じていただける大切な活動として、また、クルマと人を鍛える活動として取り組むとともに、これまでの皆様のご期待をよりよい商品作りに活かせるよう、努力し続けるよう努力する所存でございます。どうぞ引き続き、ご支援賜りますよう、お願い申し上げます。

司会
 それでは、皆様方からご質問ちょうだいしたいと思います。20分程度を予定しております。
恐れ入りますが、マイクをお持ちいたしますので、お手を挙げてくださるよう、お願いいたします。

2につづく)

(つづく)
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