シーズン歓待特別企画 【浜島裕英、「2010年」を語る】 4/9
◆予選と決勝で、クルマが違ってしまう!?
—-予選はそうなるとして、ではレースはどうなります?
浜島 レースは、クルマの良し悪しがガバッと出ちゃうんじゃないですか!?(笑)
—-予選だけというか、クルマが軽いときだけは速い!……というようなクルマも出現するのでは?
浜島 ええ、あり得ます。そういうクルマに上手なドライバーが乗って、(決勝レースで)前の方抑えちゃったら、大変なことになりますよね。
昔、日本のF2で、ダンロップのロス・チーバーが予選速くて──。BS勢は決勝は速いんだけど、鈴鹿では抜けないから、そのままロスが抑えきるというレースがありましたけど、(2010年のF1では)そういうのがつづきますね、きっと。……で、ヘタしたら勝てちゃう、その(予選だけ速い)ドライバーが。
—-コースでいうと、ハンガリーとかモナコとか?
浜島 モナコなんか絶対抜けないですもんね。だから、予選速かったら勝てますね。
—-でも、一回はピットインするでしょ?
浜島 はい、でも(ピットインを)1ラップでも(先に)延ばせば、先にピットインした人たちよりも(燃料を消費してクルマが)軽い状態で走れますからね。だから、(レース運びの)駆け引きが大変になると思いますよ。
◆ドライバーがレースを決める年になる!?
—-今年大変なのはチーム? もっといえばドライバーでしょうか?
浜島 そうですね。先ほど申し上げたように、今年はタイヤの「パージング」(注1)ができない。去年は、タイヤのなかの空気をメチャクチャ乾燥させてた、機械を使ってね。
でも、これ(パージング)をやめると、走ってるときのタイヤの内圧の変動が大きくなる。だから今年のドライバーは、これに順応しなければならない。
—-内圧というのは、走れば走るほど?
浜島 上がります。その”上がり代”(あがりしろ)が大きくなるんですね、今年は。
注1:「パージング」:タイヤ内部のエア(空気)が乾燥していると、温度変化に内圧が影響を受けにくくなり、タイヤが安定して所定の性能が出しやすくなる。