[STINGER]2010直前予測—トップ4がレースをリードする!
今週末に、例年以上に話題豊富な2010F1GPは幕を開ける。
2月1日のバレンシアテストを皮切りに、ヘレスの2週連続テストを挟んで、バルセロナへと合同テストは展開。微かに、勢力図がみえてきた。
2月1日〜3日が、バレンシアのリカルド・トロモ、2月10日〜12日と20日〜23日のヘレスも、グラプリ開催コースではなかったが、2月25日からのバルセロナだけが、スペインGPの舞台。本番に向けての臨場感を少しずつ高めながら、2月の合同テストは進み今年の序盤戦が、トップ4の駿足で幕を明ける、という筋書きが見えた。トップ4とは、フェラーリ、レッドブル、マクラーレン、そしてメルセデスである。
◆鉄壁フェラーリ!?
フェラーリは、最初のバレンシア合同テストの3日間を、F.マッサとF.アロンソがそれぞれトップタイムを記録して、素晴らしい滑り出しを見せていた。その後も、ロングランでも安定したポテンシャルを見せ、トラブルフリーの1カ月を過ごした。
新加入のF.アロンソもマシンをいたく気に入った様子。F.マッサも、アクシデントの後遺症は「まったくない」と言い切っている。
◆不安要素漂うマクラーレン
マクラーレンはやや足並みが乱れた。バレンシア・テストで新参入のディフェンディング・チャンピオンのJ.バトンが、シートが合わずに作り直すという、およそマクラーレンらしからぬ事態が発生していた。
マクラーレンは、二人のワールドチャンピオンを抱えているが、これまでの実績から間違いなくL.ハミルトンが優位にいる。J.バトンは、”新たなチャレンジ”とコメントしているが、そのコメントとおりの活躍をしたとしたら、最近ではF.アロンソとL.ハミルトン、さらに古くは、A.プロストとA.セナ時代のような”内紛”に発展する可能性もある。
開幕を前にしてご注進となったリヤウィング問題の傷口が広がらないことを祈っておきたい。
◆不気味なブロウン
M.シューマッハの復活で話題を集めるメルセデスも優勝候補の一角を占めている。一時は、去年の状況から、今年の苦戦が予測されたが、テストの状況を見る限り、その兆候は感じられない。
去年のブラウンは、序盤で7戦6勝したものの、特にエースのJ.バトンの後半の落ち込みは激しかった。トルコGPで勝ったJ.バトンが、帰りの飛行機の中でおどけてはしゃぎ、R.ブラウンを手玉にとって”チーム代表がお金をくれないから、みなさん恵んでください”と機内を回ってオオウケしたのだが、R.ブラウンが応酬して、「そんなことを言うと今後勝てないようにするぞ」とジョークを飛ばしたが、なんと、そこを限りにJ.バトンの勝利はピタリと止まった、という話もある。
R.バリチェロは、後半に頑張って2勝を挙げたが、特にイタリアGPの1-2フィニッシュは、トップのマクラーレンがコケたからという事情もあった。
シーズン前半にかけたR.ブロウンの作戦がちだったのだが、逆に言えば、シーズン後半のブラウンは先細りで、それが2010年も続くとみられていた。しかし、どうやらその見通しは間違っていたかもしれない。M.シューマッハとN.ロズベルグのコンビも、争いが出様がないほど互いのポジションを認め合う関係であり、メルセデスGPは、きっちり上位に食い込んできそうだ。
◆本命レッドブルの死角
そうした状況から、マシン・ポテンシャルだけでなく、レッドブルを本命としてクローズアップされてくる。
だが、死角はないのか。目を凝らすと、ひとつだけ懸念事項があった。奇才デザイナーのA.ニューウェイの、徹底して攻め込んだマシンである。
排気エネルギーを効果的に使おうとした結果、高温の排気がリヤのウィッシュボーンに直接当たり、その影響がリスクを背負うことになるのではないか、というものだ。
逆に言えば、そうした細かいところをほじくらなければならないほど、レッドブルは安定している、ともいえる?!