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小林可夢偉(ザウバー)予選後会見全録 マレーシアGP 1/3

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〜予選を終えて〜

13時からのフリー走行を走り出してすぐに、可夢偉はマシンの状態がおかしいことに気がついた。BMWザウバーは、”Fダクト”(*)と呼ばれる新たなシステムを今回から装着したが、リヤウィングに当たる風を調整するそのシステムが不具合が出て、金曜日の順調さとは裏腹に、18番手に終わった。

そのままの状態ではダウンフォースが不安定になって危険なことから、予選を前に旧タイプのリアウィングへの交換を強いられた。走ったことのないリヤウイングで、ぶっつけ本番の予選。しかし、天が可夢偉に味方した。なんと、5  レース目にして、10台にしか権利のないQ3に進出できたのだ。

“Fダクト” : コクピット横にダクトを設け、そこから取り込んだ空気を ボディ内側の通路を通してウィング面に当てることでダウンフォースを調整するシステム。マクラーレンが考案し、流行の兆しを見せている。

◆スコールに見舞われた波乱の予選で、5列目のグリッドをゲット!
—-予選、あと100分の5秒で、M.シューマッハを抑えてもうひとつ順位を上げられましたが?
小林可夢偉(以下、可夢偉)
 そうですね、でも、残念というか(それについては)あんまり・・・。もちろん、Q3に入った(進出できた)こと自体はよかったんですけど。

Q3をスタートするときは、”もっと前”をほんとは狙っていたんで、そういう意味では(この位置では)ちょっと残念だというのはありますね。

ほんとのところは、(アタックに)インター(ミディエイト)で行けばよかった、とは思うんですけど。(アタックに)行く前に、インターの方が速いんだと思いながら、でも(インターによる)リスクのことも考えながら(コースに)出て行ったんで、そこのところは、ちょっと残念だなという風には思います。

—-Q3で、レッドブルのM.ウェバーだけがインターミディエイトで出て行きましたが、可夢偉選手のタイヤ選択は、自身で? それともチームのエンジニア?
可夢偉
 まあ、ぼくですね。(アタックに)行く前、一周目に、インター(ミディエイト)を準備してもらって、(一周して)もし(ピットに)入ってこなかったら、そのままウェット(タイヤ)で行く、というように決めていたので。

でも、走り出したら、(タイヤは)どっちでもいいか!ということになってきて(笑)、とりあえず、走れば何とかなるだろう、と。でも、走りきったら、やっぱりインター(ミディエイト)の方が速かった! 

もうちょっと、自分自身、余裕を持って、タイヤのこと、コースのこと、考えてやっていたら、もっと”いいタイム”出せたと思うんで、そういうことではちょっと・・・。

でも、全体的に、クルマのドライのパフォーマンスから言うと、ウェットであのポジションというのは悪くない。

◆トライしていない(!)ウイングで予選に
—-Q2では、ちょっと最後までヒヤッとして、タイヤを換えて出て行って、最後に6番手をゲットしましたが?
可夢偉
 タイヤのチョイスが一番大事なんで。でも最後は、(状況を見ながら)どのタイミングでタイムを出すかなので、そのときにすべて準備して、タイムを出せるようにしておかなければいけない。そういうとこは去年「ブラジル」(GP)を経験して、悔しい思いをしたので、今回はそういうことなくということで。

—-予選に出て行くときに、通常のウイングに戻しましたね? それによる不安は?
可夢偉
 いや、ぼくも”大不安”で・・・(笑)。いまでも、明日、どうしようかと思ってます。
FP3(フリー走行3)で、突然、動かなくなったり、動いたりで、コントロール不能になって・・・。

これ(Fダクト)を使って、ダウンフォースが突然減ったりするのは危険だということで。(使って)もし、飛び出したりして、レースにならなかったらマズいし。とりあえず”安全パイ”ということで、(通常の)ウイングに戻したんですが。

でも、このウイングで、まともにドライで走ったことないんで、正直なところ、明日、ドライになると非常にマズいな、と。まあ、ウェットであれば、それなりにチャンスはあるだろうし、状況に応じて”クルマなりに”やるしかないかなあと思ってます。

—-明日は、(周囲が)いつもと違うメンバーといっしょにスタートすることになりますが、どんな気持ちでグリッドに付きますか?
可夢偉
 スタートは、まあ路面の状況によるんですけど、とりあえず、落ち着いて(フィニッシュまで)走りきることが一番大事なので。まあ、そういう風に考えて、あんまり、ポイントとか意識せずにやる(走る)方がいいんじゃないかと思ってます。

                【STINGER / text by Iemura Hiroaki】

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