小林可夢偉 インタビュー 「まだ最初の1歩です」
3日(木) スイス-ヒンウィル
小林可夢偉は、初のF1フルシーズンを難しい状況でスタートした。自分ではどうすることもできない技術的なトラブルに苦しめられ、それが原因で最初の6戦中の5戦はリタイアを強いられた。しかし、7戦目のGPでやっと光が見え始める。7戦目のトルコGPを10位でフィニッシュした23歳の可夢偉は、チームに初のポイントを持ち帰った。
Q.ポイント獲得にはどんな意味が?
小林可夢偉(以下、可夢偉) チームは週末、すごくいい仕事をしてくれました。前のレース(モナコGP)ですごく難しい状況だったんですが、イスタンブール(トルコGP)では2台ともゴールすることができましたし、ポイントを獲得できたんでうれしかったです。ただ、1ポイントだけですし、満足はしてません。まだ最初の一歩ですよ。
Q.今回、3度目の予選Q3進出を果たして、レースでは始めてトップ10に入りました。
可夢偉: 予選は僕の本当のパフォーマンスを示しているので、多くの意味があるんです。レースでは他の誰かのトラブルが原因で有利な状況になることもありますし、自分自身にトラブルが起こることがありますから。こういうことが影響して、レースの結果は本当のパフォーマンスとは違う結果になったりします。それに比べて、予選は純粋なパフォーマンス勝負です。全てが正しく進めば、僕らは毎回予選の最後まで進むチャンスがあると思います。
Q.リタイアに次ぐリタイアでしたが、モチベーションはどうでしたか?
可夢偉: 時々、メルボルンでフロントウイングが落っこちちゃったようなトラブルを忘れるのが簡単ではないときもありましたが、モチベーションには全く影響してないですね。レースが好きですし、目標は常に現実的でした。僕らはポイントの獲得が目標でしたし、次の日のレースで勝つ、というような夢を見ていたわけではないですから。
Q.次のレースに期待することは?
可夢偉: カナダは初めて走るサーキットで、シュミレーターもないですし、サーキットのことは知らないので、フリー走行で勉強する必要があります。ここでの経験がある他のドライバーは明らかに有利ですが、問題があるとは思ってません。僕らは良い方向に向かっていると思いますし、チームと一緒に仕事をしてきて、お互い慣れてきました。イスタンブールではレースの後に初めてメカニックたちの笑顔を見ることができてよかったです。それまでは、毎週日曜日の夜は、ガッカリした顔しか見たことがなかったんで。みんながポジティブですし、クルマはよくなってきているので、これからは上手く行くと確信しています。
Q.まだ学ぶ必要があることで、最も重要なことは?
可夢偉: たくさんありますよ(笑) F1では去年と今年2回ずつの4回完走しただけですから。まだ経験が十分ではないですし、もっと一生懸命に働いて、そこから色々学ばないといけないですね。たとえばタイヤのマネージメントとかです。イスタンブールでは早い段階からタイヤがハードな状況でしたし、最後は右フロントのタイヤからカーカス(タイヤの構造の一部)が見えてましたから。たくさん経験して、そこから考えることを学ばなければいけないですね。
Q.チームメイトのペドロ・デ・ラ・ロサとの関係は?
可夢偉: ペドロはすごくナイスガイですし、経験豊富なので、僕にとっては本当にいいチームメイトです。僕はルーキーでけど、彼は何でも知っていますし、僕にそれを教えてくれます。