小林可夢偉 日曜日(レース後)会見全録 カナダGP
スタートの混乱をくぐり抜け、10番手までポジションを上げた。そこまでは予定以上の出来だった。しかし、1周目の最終コーナーで、「欲が出て」、仕掛けた結果、レースを落すことになった。可夢偉は、やりどころのない悔しさの中にいた。
◆ニコの後ろは走りたくないと思って、欲をかいたら・・・
—-前にいたマッサが絡んで後退して、そのため順位が上がって、そして最終コーナーで、さらにプッシュしようとしたら、ああいう結果に?
可夢偉 あそこで、絶対抜かないといけないということはなかったですけど。でも、ニコ(フルケンべルグ)の後ろだと”詰まる”のがイヤだったし、シューマッハの後ろなら、シューマッハは最初が速いと思ったから、(ニコの後ろにいるよりは)この後ろにいた方が最初はラクやなと思って、それで(ニコを)抜きに行った。
—-リスクを背負いつつ、でも行動したことの結果だった?
可夢偉 でも、リスクを負わない方がよかったという考え方もあるので。結果がすべて、ですよね。
—-それで、縁石が突然出て来て、それに乗る格好になって?
可夢偉 そうですね、見えなかったです、その縁石は。
—-通常より、乗りすぎた感じ?
可夢偉 そうです。
—-それで、跳ねて?
可夢偉 ええ。
—-スタートは、非常にうまく行った。
可夢偉 ・・・ですね。
—-今日、スタートをオプションで行こうと思ったのは?
可夢偉 ペドロと戦略を”分ける”ために。どこで、セーフティカーが入るかわからないし。
—-どのへんで、タイヤ交換をしようと?
可夢偉 それは、わからないです。できるだけ、タイムが落ちないうちは(はじめのタイヤで)走って、と。
—-気温や路面温度は、昨日より高かったけど?
可夢偉 ええ、若干、いい方向に進んだと思います。
—-ダウンフォースが多少なくても、タイヤが働いてくれれば、という?
可夢偉 そうですね。
—-あの段階で、終わってしまうと、タラレバもいいにくい?
可夢偉 そうですね(笑)。
—-10番手に上がったときは?
可夢偉 10番手というのは認識してなかったけど、でも、かなり「前に」行ったなというのは(わかった)・・・。
—-それなら、勝負してやろう!という感じになった?
可夢偉 まあ、欲かいた、というか(笑)。
—-次の「バレンシア」は、グリップがないザウバーとしては辛い?
可夢偉 辛いですけど、まあ、レースやから、何とかするしかないでしょ。でも、ここ(カナダ)ほど、ひどくはないですよ。
—-今回は、ウイングが問題でしたが?
可夢偉 バレンシアは、(チームとして)一番ダウンフォースを付けるところなので。あそこで(ダウンフォースを)減らすということはないから。
◆勉強しました、次に活かします!
—-このカナダでは勉強したい、とコメントしてたけど?
可夢偉 しょうがないです、こういうときもあるんで、次に活かします。
—-クルマから降りて、ピットまで歩いてくるときに、とても「下を向いてた」んですが、それはやっぱり「ミス」ということで?
可夢偉 ・・・そんな感じです。
—-でも、ぶつかったところは、チャンピオンたちが、ヒルとかビルニューブとか、彼らもクラッシュしていたところだから?
可夢偉 ・・・(微笑)
—-縁石は、木曜日にチェックしていた?
可夢偉 そんな(余裕を持てた)クルマではなかったので(笑)。
—-バレンシアに向けて、ひと言?
可夢偉 若干、ここ(カナダ)よりはラクになると思います。
—-今回、学んだことも活かして?
可夢偉 はい!
—-まあ、あるよね、こういうことは?
可夢偉 そういうことですね。
—-他人のせいにできないのが、辛いけど?
可夢偉 人のせいにしなけりゃいいんですよ、とうとう、やってしまった!とか(笑)。
—-今シーズン、自分のミスで、レースが終わってしまったというのは?
可夢偉 (これが)初めて!
—-戻って、チームには「ごめんなさい」って言った?
可夢偉 (頷く)
—-チームは、何と?
可夢偉 心配するなって。メカニックのひとりは、俺はレース200回以上やって来たけど、そのほとんどが失敗だったって(笑)。
—-チームがそう言ってくれるのは救いですね。
可夢偉 です。
—-だからこそ、その期待に応えないと。
可夢偉 ですね。