[INDY] 第8戦アイオワ 決勝
父の日の6月20日、IZODインディカー・シリーズ第8戦がアメリカ中央部のアイオワ州デモイン郊外で開催された。全長が1マイルに満たないショート・オーバル、アイオワ・スピードウェイを250周して争われるレースは、今年が4回目の開催である。今年の決勝日は雷雨の予報が出されていたが、アイオワでのインディカー人気は高く、レース観戦を楽しもうと多くのファンがサーキットに集まった。
雨が心配される状態でスタートした250周のレースでは、Chip Ganassi Racingのダリオ・フランキッティとスコット・ディクソンがトップ争いを展開。そこにトニー・カナーン(Andretti Autosport)が予選15位から序盤にして加わって、トップ3による激しいバトルが始まった。
予選7位で4列目のイン側グリッドからスタートした佐藤琢磨(KV Racing Technology)は132周目に5位へと浮上し、167周目には4位、168周目にはディクソンをパスして3位までポジションを上げた。ところが、177周目、バックマーカーに接近してマシンのコントロールを乱し、ターン4の壁に吸い寄せられるようにぶつかり、リタイアとなった。アグレッシブな走りで表彰台圏内まで順位を上げていただけに、非常に悔しいアクシデントであった。
予選24位だった武藤英紀(Newman/Haas Racing)は、完走を目指してスタートした。ペースが上がらずに周回遅れに陥った後も武藤は粘り強く走り続けた。マシンセッティングを改善しようと、チームとともに全力で戦っていたが、131周を走ったところでピットへと向かい、今年2回目のハンドリング不調によるリタイアを喫した。
佐藤琢磨(19位)
「トップグループで戦い、オーバーテイクを重ねて3位まで順位を上げていけました。とても楽しいレースになっていました。ところが、2台いた周回遅れの1台をインからパスしようとした時、彼もラインを下げて来たために乱気流を浴び、私のフロントが流れてしまいました。ピットストップでセッティングを調整して、スピードを上げていく戦いができていました。最後のピットストップでまた小さな調整をし、前の2台を追いかけようというところでのアクシデントだっただけに非常に残念です。チームに申し訳ない気持ちです。それでも、特徴の異なる4つのオーバルを経験し、シーズン終盤のオーバルでのレースで戦う準備はできたと思います」
武藤英紀(20位)
「新しいセッティングでレースに臨みましたが、その効果を明確に感じることはできませんでした。グリップ不足は改善されないままで、みんなと同じペースで走り続けるのが難しかったです。レースが中盤に入ったころ、ラップタイムがトップグループと比べて明らかに遅かったため、リタイアを決めました。今日のレースで新たに試したセッティングでも、小さな効果は何かしらあったはずです。シーズン終盤のオーバル連戦に向け、今回のデータも深く分析し、オーバルコース用のマシンセッティングをよくしなくてはなりません」
順位 No. ドライバー チーム タイム/差
1 11 トニー・カナーン Andretti Autosport 42:12.4
2 3 エリオ・カストロネベス Team Penske 4.203
3 8 E.J.ヴィソ KV Racing Technology 5.2538
4 6 ライアン・ブリスコー Team Penske 9.0536
5 12 ウィル・パワー Team Penske 9.5902
19 5 佐藤琢磨 KV Racing Technology +73Laps
20 6 武藤英紀 Newman/Haas Racing +119Laps