浜島裕英 タイヤ”deep”トーク ドイツGP 1/2
◆金曜日は、各チームとも、タイヤを大事に使っていた
浜島 今日は(コンディションが変わって)、なかなか、ちょっとむずかしいですけど。
まず、フューエル・エフェクト(10kgの変化が1周のラップタイムに与える影響)は、うち(ブリヂストン)の計算では、0.31秒/10キログラム。
フューエル・コンサンプション(1周辺りの燃料消費量)は2.37キログラム/ラップです。
路面があんまりよくないので、FP2(午後のセッション)だけで判定するんですけど、オプション=スーパーソフト・タイヤのデグラデーション(磨耗などによるタイムの落ち)は、おそらく、3秒以上/ハーフレース・ディスタンス。プライム=ハードタイヤの方は、マイナスのデグラデーションで、マイナスの2秒くらい、と考えられます。
ベストタイムの差は、十分に温まっちゃうと、プライムとオプションの差は少ないんですけど、そこそこ、予選モードくらいでいうと、1秒くらい差がついちゃいそうです。
オプション・タイヤですが、予選モードみたいに、アタックして使うと、タイヤの表面が痛むので、そのあと、フルタンクにして走りはじめると、ひどい人(ドライバー)の場合は、5秒とか10秒とか、デグラデーションがありますので、こないだの「カナダ」みたいな感じ(カナダでは、暖まらないうちに使おうとすると”めくれ”が先行するなどの兆候が出た)になっちゃうという感じはあります。
ただ、オプションを、アタックせずに、傷つけずに使えば、そんなに(タイムが)落っこちない人(ドライバー)もいますので、タイヤの使い方(次第)で、オプションが活きるか死ぬか、という感じはします。
プライムは、温まるのに、3周から4周、人によっては5周かかります。
オプションの方は、とくに左フロント、そしてリヤに”ささくれ”が出ています。人によっては、右のリヤの方には「トランスバース」、ホイールスピンしている”ささくれ”が出ています。
フロントの”ささくれ”は、あんまりドライバーは感じてなくて、どちらかといえば、リヤのトラクションが落ちていくというのを(ドライバーは)非常に気にしてますね。
それから「チェンジ・オーバー」(交換時期=目安のラップタイム)は、だいたいスタンダード通りですが、1分25〜26秒がインターミディエイトからドライ、ウエットからインター(ミディエイト)が1分31秒〜32秒。
ただ、今日は、今週ずっと天気が悪いというのがわかっているので、タイヤを傷めないようにして走ってるから、もう少し、1〜2秒、少ないタイムまで(チェンジ・オーバーは)行けるのではないかと思ってます。
実際に、走り終わった(ウエット用)タイヤのブロックなんかは全然傷んでないので、たぶん(今日は)みんな、全然攻めてないと思われます。
普通だったら、ブロックが傷むところまで走り込むけど、そこまで走ってないので、デグラデーションがないというように見ることもできます。
◆暑くなったら、オプションはきびしくなる?
—-気温が上がった場合の、オプションは?
浜島 その場合の”ささくれ”は、きびしいでしょうね! リヤのデグラデーションが大きくなっちゃって、瞬く間に(ピットに)入ってこなくてはいけないかもしれない。
ただ、暑くなったら、ハードでもけっこう辛いかもしれない。
—-暑くなるというのは、具体的には?
浜島 路面温度で40度くらいです。でも、天気予報から行くと、そんなに暑くはならない。最高気温が30度以下ですからね。
—-プライムのデグラデーションがマイナスというのも、条件付き?
浜島 そうですね、今日みたいなときにはネガティブですよということ。
今日のFP2の路面の状況だと、プライムは、やっぱり「はじめ」が辛いですね。温まらない、ということで。それと、新しい舗装のところでグ
リップしないというように(ドライバーは)言ってますね。ここの「ターン6」は、ツルツル度はカナダとほとんど同じですね。
—-結果的には、タイヤの性能が”開いてる”ことについては、そんなに問題になってない?
浜島 ・・・なってない、ですよね。
—-気温が上がって来たりすると?
浜島 そうなると、ハード側がよくなるでしょうね。逆に、みなさんが想像していたよりは、スーパーソフトがよく「保っていた」と思いますけど。
—-(今日は)気温が高くなかったせいで?
浜島 そうですね。
—-フェラーリは、今回、プライムについては?
浜島 今回は、悪くないみたいですね。(タイヤの)”温まり”には、ちょっと問題あるようですが(笑)。でも、珍しく、文句言わないですね(笑)。
浜島裕英 タイヤ”deep”トーク ドイツGP 2/2に続く。