[INDY] 第12戦 ミッドオハイオ 決勝
ダリオ・フランキッティが逆転で今シーズン2勝目。武藤英紀は18位、佐藤琢磨は一時2位を走行するもリタイア。
2010年IZODインディカー・シリーズ第12戦Hondaインディ200がオハイオ州のミッドオハイオ・スポーツカー・コースで開催された。コーナーが多くテクニカルな全長2.258マイルのサーキットを85周して争われるレースだ。
ポイントリーダーのウィル・パワー(Team Penske)は、今シーズン6回目のポール・ポジションから見事な加速を見せてトップをキープした。しかし、25周目に行われたフルコース・コーション中のピットストップ1回目、ダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)がクルーたちのすばやい作業によってパワーの前に出た。この直前にピットストップを済ませていたアレックス・タグリアーニ(FAZZT Race Team)が一時トップへ浮上したが、彼は2回目のピットストップを早めに行った影響で、ポジションを4位まで下げた。
タグリアーニがピットに向かったことでレースリーダーとなったフランキッティは、パワーの執拗なアタックを退け続けて、今シーズン2勝目、キャリア 15勝目を記録した。パワーは最後までフランキッティに食い下がり、インディカーのロードレース史上3番目の僅差となる0.5234秒差の2位でゴールした。パワーは今回の2位入賞により、今シーズンのロードコース王者に決定。マリオ・アンドレッティ・トロフィの初代ウイナーとなった。
武藤英紀(Newman/Haas Racing)は予選12番手から、序盤はそのポジションを守って12位を走り続けていた。しかし、1回目のピットストップでタイヤ交換に時間がかかり、 17位まで後退。2回目のピットストップではクラッチトラブルでエンジンストールし、19位までさらに後退。ゴール前の2周で前方のマシンをパスし、18位でゴールした。
予選3番手に入り、決勝での活躍が期待されていた佐藤琢磨(KV Racing Technology)は、1回目のピットストップ直後にコースオフしてリタイアとなった。グリッド2列目から見事なスタートを見せた佐藤はフランキッティをパスして2位へと浮上。そのポジションはフランキッティに取り返されたが、序盤はパワー、フランキッティの2人を追う3位を走り続けて1回目のピットストップを迎えた。ここでKV Racing Technologyは給油に長い時間がかかり、佐藤のポジションを11位まで下げてしまった。
29周目にリスタートが切られた直後、佐藤はバックストレッチ・エンドの右コーナーでディクソンにアタックした。しかし、飛び込んだインサイドは路面が荒れていてグリップが低く、佐藤はコースアウトしてタイヤバリアに突っ込み、フロントウイングとサスペンションを破損。リタイアを余儀なくされた。
第11戦終了時点でポイント2位につけていたフランキッティが勝利したことにより、ポイントリーダーのパワーとの差は50点から41点に縮まった。ポイント3位にはディクソン、ポイント4位にはブリスコーがつけている。
武藤英紀(18位)
「1回目のピットストップではタイヤ交換でミスがあり、 2回目のピットストップではクラッチがなくなっていたためにエンジンストールをしてしまいました。第2戦セントピータースバーグのときとは症状の異なるクラッチトラブルでした。シーズン中盤に入ってからのロードレースでも問題は出ていなかったし、今週末もクラッチにトラブルの兆候は一切見られませんでした。それが突然決勝レースで出ていました。今日のマシンのハンドリングは上々で、ずっといいペースで走り続けることができていました。レースの内容は決して悪くなかったのに、ピットで順位を大きく落としたのは残念でした。次のレースが行われるインフィニオン・レースウェイは、昨年いい結果を出しているコースですから、今回以上の戦いができると思います」。
佐藤琢磨(25位)
「レースの序盤は3位を保ち、トップを走るパワーに引き離されることもなく、燃費セーブモードでもいいラップタイムで走り続けることができていました。しかし、1回目のピットストップで給油に時間がかかり、一気に11位まで順位が落ちてしまいました。それをコース上でばん回しなくてはならないと考えてリスタートを迎え、バックストレッチでディクソンのイン側へサイド・バイ・サイドまで並びかけたのですが、イン側の路面はグリップが低く、止まりきれずにコースアウトを喫してしまいました。本当に悔しい結果です。しかし、決勝スタートからトップコンテンダーと互角に走り、ラップタイムや燃費などの面でもいいレースを戦えました。多くの収穫を得られたレースなので、次のインフィニオン・レースウェイではまたトップグループのバトルに加わりたいと思います」。
決勝
順位 No. ドライバー チーム タイム/差
1 10 ダリオ・フランキッティ Chip Ganassi Racing 01:54:32.2568
2 12 ウィル・パワー Team Penske +0.5234
3 3 エリオ・カストロネベス Team Penske +4.0883
4 77 アレックス・タグリアーニ FAZZT Race Team +5.6423
5 9 スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing +5.9150
18 06 武藤英紀 Newman/Haas Racing +26.5918
25 5 佐藤琢磨 KV Racing Technology +57Laps