ロバート・クビツァ、ラリーを語る
「ピクニック気分でやってるよ」
厳しい戦いに打ち込んでいるF1ドライバーが、週末、カテゴリー違いのモータースポーツに挑戦する気になるのは何故だろう。1年以上もラリーに参加しているロバート・クビツァの場合、理由は簡単だ。
クビツァはかなり前からラリーに興味を持っていたが、昨年はBMWザウバーとの契約により、実際に参加することはできなかった。所属チームがルノーに代わった今年、クビツァはルノーのクリオS1600に乗り込み、主にイタリア国内選手権ラリーに何度か登場している。
一方、自らも認めているとおり、レース活動が忙しく、新しく発見した趣味に取り組む機会が限られていたことも事実だろう。
「だいいち、ラリーに遣うお金がなかった。まともな収入を得られるようになったのは、F1ドライバーになった2006年からだもの。それから、すこしずつお金を貯めて、ラリーに参加するようになったけれど、そのあとはチームとの契約内容から、F1以外のモータースポーツには出られなくなっていたんだ」。
クビツァはラリーに情熱を燃やしている。フェラーリのF1チームを離れて世界ラリー選手権に転向したキミ・ライコネンの例もあり、クビツァがいずれ同じような道へ進むことを考えているのだろうか。
「完全に否定はできない。近い将来、WRCの有力チームに加わる機会が訪れたとすれば、F1からの転向を真剣に考えることになるかも」。
【翻訳:Shigehiro Kondo】