ベルギーGP 金曜記者会見 1/2
恒例の金曜記者会見。チーム代表(関係者)が集まる今回の会見には、ジョン・ブース(ヴァージン/チーム代表)、 ロス・ブロウン(メルセデス/チーム代表)、マイク・ガスコイン(ロータス/技術部門代表)、マーティン・ウィットマーシュ(マクラーレン/チーム代表)が参加。
Q.この時期、現行マシンの開発にあまり手をかけなくなるチームと、タイトル争いに加わっていて力を入れるチームがあると思います。それぞれの状況を教えてください。
マイク・ガスコイン(以下、ガスコイン) 私たちは、もう何か月か前から来年のマシンに集中している。もちろん暫定ランキング10位をキープすることも大事だけれど、新チームにとっては、先を目指すことが何よりも重要なんだ。来年はもう、新チームではなくなるわけだから。というわけで、来年のマシンを重視するのは当然の方針だろう。ちょうど1年前の今日、私は新しい工場に初めて足を踏み入れ、その時のメンバーは3人だけだった。今は220人のスタッフがいる。来年は、是非とも好成績を残さなければならない。
ジョン・ブース(以下、ブース) ウチはちょっと事情が違って、今年のマシンにも手を加えている。序盤に信頼性不足を抱えていて、予定していた開発が先送りになっていたからだ。まだ、今年のマシンを伸ばす余地がある。もちろん、新しいマシンの製作にも全力をつくしているが…。
マーティン・ウィットマーシュ(以下、ウィットマーシュ) まだタイトル獲得の可能性があるので、今年のマシンの開発にも力を入れている。来年のことも考えなければならないが、それと並行して、今シーズンの結果も重要だ。来年のマシンは別のデザイン・チームが作業を進めている。
ロス・ブロウン(以下、ブロウン) 優先順位としては、来年のマシンが上に来る。今年は思ったほど上手くいかず、現実的にタイトル争いをする可能性はなくなってしまった。まだ2〜3、現行マシンに手を加えることはあるが、主力は来シーズンに移っている。
Q.今シーズン、これまでの結果は期待より上ですか、それとも期待はずれだったのでしょうか?
ガスコイン: ほぼ予想していた通りになっている。F1への参戦を実現できただけで、たいしたものだと思うから。今年の目標は、新チームの中でトップになることだった。最近の進歩で、既存のチームにも、かなり迫って来ている。不満があるとすれば、序盤戦の信頼性不足だろう。それでも、ここまではまずまずの結果だと思う。
Q.ドイツでもあった、ギヤボックスのトラブルがいちばんの問題でしょうか?
ガスコイン: ギヤボックスと油圧系。パーツの供給元にも原因があった。そんなことは言い訳にならないので、頑張って仕事をするしかない。実際、ほぼ克服できたと思っているんだ。
Q.同じ質問ですが、今年の内容は予想どおりでしょうか?
ブース: ほぼ、そう言えるだろう。ロータスとの争いを楽しんでいるし、トップとの差はタイムにして3.5パーセントほど。まずまずの出来だと思う。
Q.チームの今後を不安視する声がありますが?
ブース: いろいろと言われる時期だからね。だが、私たちはしっかりした長期計画を立てており、来年の準備もすでに整っている。スポンサーとの関係も良好だ。今年だけで8社も新しいスポンサーを獲得しており、ベースはしっかりしている。マスコミが書いていることは、まったく根拠のないもので、原因があるとしたら、広報活動が弱かったことだろう。来年はそのあたりも考えていかなければならない。
Q.マシンの性能を出し切っていない、といった趣旨の発言があったようですが?
ウィットマーシュ: それはハンガリーGPについて
言ったことだ。今日も、ちょっとそういうところがあったが…。これからは、少なくともハンガリーよりもいい状態に持っていけるだろう。これからマシン
の性能を引き出していく、といったのは、そういう意味で、何か特効薬があるというわけではない。
Q.Fダクトを使うかどうか、という問題もあるのでしょうか?
ウィットマーシュ: 今回も使っているし、これからの方針もはっきりしている。敢えてチームの方針を公言する必要もないだろう。
Q.ストレートのスピードが重要なモンツァでは、有効と思われますが?
ウィットマーシュ: それも、その時になればわかることだ。
Q.マシンの開発は、これまでのペースで進めていくつもりですか?
ブロウン:
いろいろ試してみたが、それでトップを狙うマシンになる、というわけではなかった。これまでのレースでは、かなり浮き沈みがあった。どういう点を改善する
べきかはわかっているので、それを来年のマシンに活かしたい。重心を下げ、軽量化し、ダウンフォースを高め、タイヤの性能を引き出せるようにすること。そ
ういう基本的な作業が、来年のマシンには必要だろう。
Q.休みの間は、好きなフライフィッシングを楽しんだのですか?
ブロウン: いや、残念ながらそういうわけにはいかなかった。なかなか仕事のことが頭から離れないからね。シーズンが終ったら、2週間くらいは釣を楽しめるかもしれない。
Q.来年のレギュレーションについて、曖昧な点はありますか?
ブロウン: い
や。去年のダブル・ディフューザーとか、今年のFダクトとか、常に抜け道はあるものだが、来年については、まだそういう妙案は浮かんでいない。あったとし
ても、言わないけどね。来年のレギュレーションについて、はっきりしないところはあまりないだろう。それをかいくぐって、何か新しいものを作り出すのが、
この仕事の面白い点でもある。