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浜島裕英 タイヤ”deep”トーク–ベルギーGP

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◆ハンガリー、レッドブル/ウェーバーの”グッド・ジョブ”!!
浜島裕英 ブリヂストンMS・MCタイヤ開発本部長(以下、浜島)前回のハンガリーから行きますと、ハンガリーでは、タイヤ的には、ウェーバーの使い方が一番嬉しい使い方でした。実際、路面がよくなって、どんどん速くなったという点も考慮すると、あの使い方が一番よかったんじゃないでしょうか。

あとは、ベッテルが失敗しなければ──6秒ちょっとの差だったんで、優勝はベッテルだったと思いますけど。タイヤの使い方では、ウェーバーの使い方は上手だったなと思います。

ひとつ言えるのは、あのクルマ(レッドブル)は前後のバランスがすごくよくなってるから、(長く走っても、タイヤが)”タレない”ですね。前後が(バランスよく)上手に減っていくんで、それがいまのあそこ(レッドブル)のクルマの特徴じゃないかなと思います。

—-上手だったというのは、ハンドルの回し方がいいとか、そういうことではなくたとえば交換時期ですか?
浜島:
最速になるような使い方をしてくれたという風に思います。

◆タイヤを温存しなかったチームも・・・
浜島:
今日のデータですが、フューエル・エフェクト(10kgの重量がラップタイムに与える影響)が0.39秒/10キログラム。フューエル・コンサンプション(1周の燃料消費)は3.32キログラム/ラップ。

FP1は、各チームともウエットを1セット使用。最後にちょっと路面が乾いてきて、フロントのグレイニングで、若干タイヤが”タレる”というコメントが多かったです。”ささくれ”(が出ているの)は、タイヤのセンターからイン側にかけてで、そのため、アンダーステアが出るということですね。

あと、雨量の多いときは、「リヤのトラクションがないねえ!」・・・といわれました。

“ささくれ”関連では、小林可夢偉選手のフロントのイン側には、だいぶ”ささくれ”が出ています。

FP2は、いつ雨が降るかわからない状況ではありましたが、インターミディエイトを1セット、みんな、惜しげもなくダメにしてしまったな!という感じですね。

ドライタイヤですが、プライムでも、今日は路面温度が25度くらいですが、それでも、2〜3周でウォームアップはOKだということです。・・・なので、暖かくなったら、けっこう、オプションは辛いかもしれないですね。

それから、インター(ミディエイト)については、5〜10周すると性能が低下するというのがマジョリティ(多数派意見)ですね。

◆雨の状態によっては、タイヤが足らなくなる!?
浜島:
乾き気味のレースになれば、インターミディエイトかスリックか(が使用タイヤになるの)で問題ないんですけど、降ったり止んだりとか、20分に一回くらい、雨が降っては止むというようなレースだと、タイヤの数が足りないな!という風に思います。そのへんは、ウエットを使って、頑張ってもらうしかないな、と(笑)。

あと、インター(ミディエイト)も、きびしく使った人(ドライバー)は、フロントタイヤのイン側に、だいぶブリスターが出ています。

—-暖かくなったらオプションが辛いというときの、その”暖かさ”というのは?
浜島:
路面温度25℃で、プライムが(ウォームアップに)2〜3周ということは、ほんとのドライだったら、オプションはすぐにグニュグニュしてくると思います。その場合では、オプションは、5周もしたら苦しいのではないかと思いますね。

100827hamavo02.jpg—-どういう天候であれ、タイヤの使い方はむずかしくなりそう?
浜島:
そうですね。日曜日の予報も、降ったり止んだりでしょう? スタートで、ドライを付けておいてくれれば、タイヤ、足りるけど?(笑)スタートがダンプ(路面が湿った状態)で、次に降ってくるというのが、もう最悪! しかも、(完全な)ウエットに移行しないで(雨が)パラパラということになると、(タイヤを)上手に使った人(ドライバー)が勝つ可能性がありますね。

—-マクラーレンが今日、プライムのテストをしなかったのは、テストしなくても保つのがわかってるから?
浜島:
・・・だと思いますよ。だから、(今日は)オプションのチェックだけしておこうということで、非常に理にかなってると思います。

◆”オー・ルージュ”は、なぜ、タイヤにきびしいのか?

—-今年、ここスパの投入タイヤをハードとソフトにした理由は?
浜島:
ここは、ほんとに晴れると、もしかしたら、フロントタイヤがブリスターするんですよ。それくらいきびしいサーキットなので。だから、硬い側をハードにした。

—-その「きびしさ」というのは、ここは路面が粗いから?
浜島:
いえ、「速度」です。速度が速いことと、”オー・ルージュ”(の存在)。あと、(レイアウト的に)中・高速コーナーばっかりというのもありますね。

—-“オー・ルージュ”がそんなに?
浜島:
タイヤの耐久面ではきびしいです。”オー・ルージュ”の垂直荷重と横力(横G)は世界一なので。

—-オーバルみたいにきびしい?
浜島:
オーバルよりきびしいです。(オー・ルージュは)四輪全部に(荷重が)かかるから。

—-どのくらいの「G」?
浜島:
横Gは4Gくらいになるかな。垂直荷重は1トン以上になりますね。だから、クルマもかわいそう、ドライバーも大変だと思います。タイヤもね、けっこう辛いです(笑)。

—-内圧は、ここは?
浜島:
ここは、内圧を守らないと、(タイヤは)ぶち壊れますね! ちゃんと上げてほしい。それと、気をつけなきゃいけないのは、セーフティカーのあと(冷えた状態での走りはじめ)です。

【STINGER / text by Iemura Hiroaki】
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