シンガポールGP 予選トップ3 記者会見
Q.セクターごとに(セバスチャン・)フェッテルと順位が入れ替わるスリリングな予選でしたが、やりましたね。
フェルナンド・アロンソ(以下、アロンソ) かなり厳しい予選だったよ。ドライでの走行時間が少なかったし、ずっとどこかが濡れている状態だったから、予選の時も100パーセント自信を持って走れたわけじゃない。Q1、Q2と、積み重ねていって、Q3でようやく限界ぎりぎりの走りができるようになったんだ。タイヤは2種類とも合っていたから、2回の走行のタイムもほとんど変わらなかったよ。走っている時はもちろん他のドライバーのタイムがわからないけれど、自分の走りには満足していたんだ。1位か2位か4位かはともかく、マシンの性能を完全に引き出したという手応えはあったから、当面の目標は達成できたよ。
Q.チームメイトの(フェリペ・)マッサがトラブルに見舞われ、不安があったと思いますが?
アロンソ: フェリペがどんな問題を抱えているのか、調べてみたんだ。マシンがもどってくるまで、テレメトリーのチェックができなかったから、安全を期していくつかのチェックをしたんだ。今回はいくつか実験的なパーツを使っていたんだけど、フェリペのマシンにトラブルが発生したから、以前のものにもどしたんだ。Q2ではコンピューターのプログラムが間違っていたということだから、Q3に進めてラッキーだったよ。
Q.Q3の1回目で問題が発生しましたが?
セバスチャン・フェッテル(以下、フェッテル) 初日からずっと順調だったのに、予選だけはリズムがつかめなかったんだ。コースへ出るたびに、他のマシンにひっかかって、フリー走行のような走りができなかったよ。Q3の1回目は、他のマシンとの間隔を計り損ねちゃってね。タイヤの温度を下げたくなかったから、全力疾走を続けたんだけど、コーナーを4つか5つ抜けたところでミハエル(・シューマッハ)に追いついてしまったんだ。それで、1回目はまともにタイムを計測できなかったよ。
Q.レッドブルはここで相当に有利だろうと、誰もが考えていましたが?
フェッテル: ここではアドバンテージがあるだろうと、僕たちも思っていたよ。だけど実際には、予選でほとんど差がつかなかったんだ。もっとタイムを伸ばせたかもしれないけれど、タラレバを言っても仕方がないからね。今日はフェルナンドの方が、僕よりも良く眠れるだろうね。フェラーリは良い仕事をして、マシンの性能をじゅうぶんに引き出したんだ。僕たちはそれができなかったから2位になったってことさ。
Q.タイトル争いのライバルであるマーク・ウェバーを抑え、フェッテルともコンマ1秒差。上出来ではありませんか?
ルイス・ハミルトン(以下、ハミルトン) 悪い予選ではなかったよ。モンツァより少しは良くなっているみたいだ。マシンにはもうすこし余力があったと思うけど、難しいコースだから仕方がないよ。路面の良い側からスタートできるし、出足は良い方だから、どこまでやれるか幸運を祈るだけさ。
Q.ここでの優勝経験者として、明日のレースをどう予想しますか?
ハミルトン: 路面がどれくらいで完全に乾くかも含めて、明日のレースが激戦になることは間違いないからね。夜のうちか、明日の昼間に雨が降れば、路面は乾かないと思う。できれば降らないで欲しいけど、完全なウェットなら、比較的やりやすいんじゃないかな。
Q.勢いはフェラーリにあるようですが、明日もこの調子でいけるでしょうか?
アロンソ: タフなレースになるだろうけど、最高の位置からスタートできるんだ。ポール・ポジションにいれば、ドライでもウェットでも有利だから、それを利用しない手はないよ。ルイスも言ったとおり、明日いちどでも雨が降れば濡れたカ所が残るから、レースはある意味で生き残り合戦になる。
Q.2回目のポール・ポジションですが?
アロンソ: ポール・ポジションが重要なサーキットはいくつかあるけれど、ここも間違いなくそうだね。肝心なのは明日のレースだから、この予選結果を活かすも殺すも、どれだけ周到に準備ができるかにかかってるよ。
Q.最初のタイムアタックでは、最終セクターが抜群に速かったようですが?
アロンソ: それはマシンの性格と関係しているんじゃないかな。自分でも、第2セクターより第3セクターの方が走りやすかったから。タイヤをどういう風に扱うかによって、セクター毎の走りが変ってくるんだ。もともと、ウチのマシンはコースの後半で強いことが多いんだ。
Q.今回はポール・ポジションから勝ちを狙っていくのでしょうか?
アロンソ: 同じようにやるだけさ。当面の目標は表彰台に立つこと。現在、ルイスとマークがポイント上でリードしているから、明日はできるだけその二人より前でゴールしたい。それが出来ない場合は、できるだけ近い順位でゴールして、差を広げられすぎないようにする。これが明日の課題だよ。他のドライバーがトップに立った場合は、また考えなければならないけれど、今のところルイスとマークを意識している。
Q.今日の結果には満足していますか?
アロンソ: ここではレッドブルが強いと予想していたし、実際に初日はそうだった。それが今日は僕がポール・ポジションを獲って、レッドブルは2位と4位ということだから、かなり意外な結果だったよ。
Q.去年もここは予選2位でしたが、そのときと違う点はありますか?
フェッテル: 去年はスタートで予選3位のニコ(・ロズベルグ)に抜かれたんだ。本当はポール・ポジションを獲りたかったから、理想的な状況ではないけれど、2位か3位で1コーナーに入れば、コンディションしだいで優勝のチャンスがあると思う。マシンは優秀だから、必ず勝つチャンスはやってくるよ。
Q.2回目の走行のとき、シケインでかなり縁石に乗り上げていましたが?
ハミルトン: あのときはジェンソン(・バトン)との距離を詰め
すぎてグリップが悪くなって、それでああなってしまったんだけど、それでもまずまずの周回だったと思う。2回目にコースへ出た時、タイムを伸ばすことができなかったよ。
Q.昨日、レッドブルに勝つことも不可能ではないと言っていましたが、今もそう考えていますか?
ハミルトン: もちろん。フェルナンドが今日、それを証明して見せてるしね。レッドブルも、今シーズン中にあったような2秒のリードを奪っているわけではないから。それは僕たちにとって明るい材料だよ。ジェンソンもチームも、良い仕事をしてる。マシンの感触は良いし、特にロングランで好調だから、じゅうぶんにチャンスはあるんじゃないかな
Q.予選中、Q2の時にイエロー・フラッグが出ましたが、問題なかったのでしょうか?
ハミルトン: ターン5で黄旗が出ていたけれど、接近した時には解除になってたんだ。ライトもあって、それが消えていたんだから、思い切ってコーナーへ突っ込んでいったよ。
Q.通常、公道サーキットでは予選の結果が90パーセントまでレースの行方を左右すると言われていますが、今回もそうなると思いますか?
アロンソ: そうなって欲しいね。実際は、コンディションしだいだろうけど。ドライだったら、ここも他の公道コースと同じように追越しが困難になると思う。だけど、ウェットかハーフウェットの状態だと、事情が違ってくるよ。路面が濡れている時は、コーナーひとつでずいぶん違いが出るから、必ずしも予選結果がそのまま決勝の成績につながるわけじゃない。
フェッテル: もうひとつつけ加えるなら、レースが長いということだね。ゴールまで2時間ちかくかかるし、シーズン中もっとも長いレースのひとつだから、いろいろなことが起るのは当然だよ。もちろんグリッドは前の方が有利だけど、それがすべてというわけではないんだ。2年前にフェルナンドは、たしか15番手くらいのグリッドに並びながら、優勝してしまったからね。