小林可夢偉 予選後会見全録–シンガポールGP
◆セッティングを探りながらの予選だったが、Q2を突破!
—-予選が終わって二時間が経ちましたが?
小林可夢偉(以下、可夢偉):そうですね、明日は10番手スタートということで、ポイント取れる位置なので・・・。でもあんまり欲張らず、1ポイントでいいということで、行きたいと思います。
—-今日のフリー走行は?
可夢偉:昨日からトライしているセットが、あんまりうまく行かずに・・・。ちょっとハマりそうだったんですけど。予選に向けて何が問題かということで、エンジニアと一生懸命解析した結果、ま、それ(解析)が予選で、大きく反映されたということで。
—-Q1を迎えるまでは、手探りの部分もあったということ?
可夢偉:そうですね、予選が始まったときのセッティングというのは、三個目の練習走行(土曜のFP3)からすると、けっこうセッティングを大きく換えたので、(予選の)はじめの頃は様子見から入って、でも、結果的にQ2を「切れた」(突破できた)というのは、よかったと思います。
—-Q2での走りを、自身で評価すると?
可夢偉:シリーズのはじめなら、こういうコースだと、たぶんQ1で”落ちてる”くらいのクルマだと思うんですけど、ほんとに、時間が経つにつれて(シリーズが進むにつれて)開発がうまく行って・・・。結果的に、残り五戦といういまの時点で、クルマを(ここまで)”仕上げられた”ということについては、ポジティブに、チームとして自信を持っていいんじゃないかなと思います。
—-ここは市街地コースでもありますが?
可夢偉:市街地というのは、ほんと、むずかしくて・・・。走りを「まとめきる」というのが──誰でも、けっこうミスしたりして。でも、こういうコースで、今回「まとめきれた」というのは大きかったと思うし。
(今年は)モナコでは、ちょっと残念な結果でしたが、この市街地で(今回の予選で)いい成績を残したというのは、(ドライバー可夢偉は)こういうコースも行けるんだぞ!ということを証明できたというのは、よかったと思います。
—-Q2を突破したときは、どんな気持ちでしたか?
可夢偉 まさか!と思いました、こんなコースで。このコースは、ほとんど期待してなかったので。
—-でも、フルケンベルグやチームメイトよりも上に行ってるし?
可夢偉:よかったんじゃないですか、とりあえず!(笑)まあ、「明日」ですよ、勝負は!
—-また近くに、シューマッハがいるけど?(笑)
可夢偉:ねえ! でも、今回は速いですよ、向こう(シューマッハ)が。
—-最後の(Q3での)アタックは?
可夢偉:若干、失敗して・・・。
—-でも、フレッシュなオプションが残った?
可夢偉:これ、ニュー(タイヤ)です。・・・その前の、Q2での走りが、ほとんどカンペキに近かったので。逆に、あれ以上(のタイムは)むずかしかった。
◆タイヤが温まらないセットから、何とかいい方向へ”脱出”した!
—-フリー走行から予選に向けて、クルマで直したかったところというのは?
可夢偉:全部です! (だから)かなり、大きく変えた。
—-バランスが悪かった?
可夢偉:いや、バランスというより、タイヤのウォームアップが悪くて。(クルマのセットアップとして)根本的に、たぶん考え方が間違ってた。それを変えるには、かなり大きく変えないと。
—-シーズンが進むにつれて、クルマがだんだんよくなってきたというコメントがあったが、それは今回のアップデートも貢献してる?
可夢偉:もちろん、今回のアップデートもあると思うけど。でも、クルマをもう少し理解してきたというのもあると思う。
—-湿ってた路面は、予選中に変わっていった?
可夢偉:若干、ね。でも、あんまり変わらないですよ。
—-雨が上がってから、九時間経ってるのに?
可夢偉:(あまり変わらないというのは)ひどいですよ、ほんと、ひどいです。レースは(路面が)ズルズル!から始まりますよ。
—-ナイトレースといっても、昼に雨が降ったら、そういう状態で?
可夢偉:そう!
—- 最初は、相当濡れてた?
可夢偉:ええ、ビックリしますよ!
◆バンプ走行でも、クルマが安定してきた!
—-シケインでは派手に飛んで、気持ちよさそうでしたが?
可夢偉:気持ちよくはないですよ(笑)。
—-痛そう、だったですが(笑)。それができるようになってのは、予選に向けてセッティングを換えて、飛べるようになった?
可夢偉:やりすぎると頭が痛くなる。ボクシングで、顎をすられて気絶する、という意味が分かった。頭と脳が合ってない、分かります。一瞬、脳しんとうになるような感じやから。
—-「レース・ペース」はどう見ています?
可夢偉:あんまり・・・(よさそうじゃない)。
—-予選の方がよかった?
可夢偉:むずかしい! 較べられないですよね。
—-過去に、予選は辛いけどレース・ペースはいい、というようなレースもあったけど?
可夢偉:そうですね。でも、ちょっとわからないです、今回は。
—-とくにこのコースは?
可夢偉:何ともいえない、ですね。
—-今回、新しいチームメイトとの予選でしたが、意識はした?
可夢偉:いや、あんまり意識はしてない、いつも通りです。ただ、フリー走行で、 全然(走りを)「まとめてなかった」から、「まとめる」ことに集中しただけ。
◆戦略だけを考えれば「10位」より「11位」の方がいい!?
—-ブリヂストンの浜島さんの話では、オプションで、ロング・ディスタンスも走れるとのことですが?
可夢偉:そうでしょうね。そういう感じもするかもしれませんが、実際、それ以上に、このコース(コース上で)抜けない! だから、どこでピットインするかとか、そういう戦略の方が大事になる。タイヤの”保ち”ではなくて、今回は、戦略が重要になると思う。
—-レースや展開を読みながら、走る?
可夢偉:自分たちが持ってるタイヤで、何が一番(使い方として)いいかを考えて。(コース上で)抜けないということも考慮しながら。だから、Q3の最後に(アタックに)出なくて(タイヤを温存しておいて)よかったと思ってますよ。Q2の
、あれ以上のタイムはムリだとわかってるから。
—-予選で「11位」になって、決勝でのタイヤを自由に選ぶか。Q3に進出して、ベスト10に入るか・・・?
可夢偉:あの、サウンド的には「Q3」の方がいいんですけど、戦略としては「11位」の方がいいですね(笑)。
—-でも、10位か11位選べるというのも贅沢な話だけれど、それができるチームになったと。
可夢偉:そうそう!(笑)
◆スタートではムリしない、雨はむしろ歓迎だ!
—-決勝レースに向けては?
可夢偉:スタート自体は、ムリせずに・・・。このコースで、レースのスタートをするというのは初めてなんで。ちょっと予想がつかない部分があるので、一番大事なのは、ムリせずスタートして、自信を持って走れば、ポイントも(自分に)還ってくると思うので、それで十分だと思います。
—-明日は、天気も気になりますが?
可夢偉:雨は、ほんとにぼくは(気にならないので)・・・。逆に、雨の方がいいかも、というくらいなので、あんまり意識せずに”いいレース”をしたいと思います。
—-改めて、鈴鹿も控えています、日本のファンに向けて?
可夢偉:鈴鹿のレースの前、ここ(シンガポール)でポイント取って、弾みをつけて日本に行ければ、鈴鹿ではいい成績を残せると思うので。まず、明日、第一歩として、しっかり、走りたいと思います。