プロトン、トニー・フェルナンデスのロータス・ブランド買収に異議
フェルナンデスは、チーム・ロータスに名称を変更することを発表。プロトンはこれに反対。
昨年、トニー・フェルナンデス(ロータス・F1・レーシング代表)と1マレーシア・レーシング・チームは、グループ・ロータスから”ロータス”の名称を使用する権利を買い取り、ロータス・レーシング・チームとして今シーズンのF1世界選手権に参戦しているが、プロトンはグループ・ロータス(ロータスの市販車の製造販売部門)との合意により、ロータス・レーシングの名称を使用する許可を取り消すこととなった。
これにともない、1マレーシア・レーシング・チームやフェルナンデスが関係している他の法人は、2011年のF1世界選手権で”チーム・ロータス”を含む”ロータス”の名称を使用する権利を失う。
グループ・ロータスは、フェルナンデスが2011年にロータス・レーシングの名称をチーム・ロータスに変更するものと理解している。フェルナンデスはチーム・ロータスの名称をデビッド・ハントの有限会社チーム・ロータス・ベンチャーズから買い取ったと主張しているが、ロータス・グループはその権利が法的な根拠を持たず、フェルナンデスもそのことを承知しているものと考えている。
プロトンは、”ロータス”の名称を保護するためにグループ・ロータスが採る行動を支持し、フェルナンデスを含むいかなる人物も、2011年のF1世界選手権で”ロータス”の名称を使用することがないよう、あらゆる手段を講じる。
◆ダトスリ・モード・ナズミ・モード・サレー(プロトン/グループ・ロータスの役員)
「ロータスのブランドはF1界でもっとも価値あるもののひとつであり、私たちがそれを所有している。トニー・フェルナンデスは2011年のF1世界選手権でロータスの名称を使用するいかなる権利も所持していない。フェルナンデスが許可なくロータスの名称を使用することを、あらゆる手段を用いて阻止し、ロータス・レーシング・チームの支援を打ち切る」。
「要するに、グループ・ロータスのみがロータスであり、1マレーシア・レーシング・チームがグループ・ロータスとその名称を使用する合意に達したこと自体、フェルナンデスと1マレーシア・レーシング・チームがグループ・ロータスの権利を認めていることを意味するものだ」。
プロトンについて
1983年に創設されたマレーシアを代表する自動車メーカーで、東南アジアで唯一、自社ブランドの乗用車を製造、販売している。英国、中東、東南アジア全域、オーストラリアの市場に、顧客の要望に応じたさまざまな種類の乗用車を送り出している。
そのラインナップには、世界的に有名なロータスのスポーツカーが含まれる。現在のプロトン車は、ロータス・エンジニアリングによって開発されている。
ロータスについて
グループ・ロータスはプロトン傘下の子会社で、その中核であるロータス・カーズLtdはロータス・エンジニアリングとロータス・カーズからなっている。ロータス・エンジニアリングはイギリス、ノーフォークを拠点とし、自動車エンジニアリングのコンサルタントとして広く世界に知られている。イギリスの他にミシガン(アメリカ合衆国)、クアラルンプール(マレーシア)、中国に生産拠点を持ち、ドイツにも営業所を開設している。