オリジナル リリース-ルノー・F1・チーム【日本GP(木)】
「手強い相手がたくさんいる」
Q.鈴鹿が大好きだという理由は何ですか?
ロバート・クビツァ(以下、クビツァ) シーズン中、いちばん難しくて、高速で走り甲斐のあるコースだから。4速以上で回る高速コーナーの数は、F1サーキットの中で最多なんじゃないかな。とくに最初のセクターがすごいんだ。S字はまるでジェットコースターみたいだし、強い横Gを受けながら左右に切り返す。ひとつミスをすると次のコーナーにまで響くから、正しいラインをキープするのがたいへんなんだ。それに低速コーナーがふたつあって、シケインでは急減速が必要だから、追越しのポイントにもなるんだ。
Q.去年、ミスをするドライバーが多かったのは何故だと思いますか?
クビツァ: 週末の展開が大きいだろうね。金曜に雨が降って、土曜のフリー走行だけで予選に臨まなければならなかったから。舗装したランオフエリアがないから、鈴鹿ではミスへの許容範囲がきわめて小さいんだ。ちょっとしたことで、すぐにグラベルへ突っ込んでしまうから。普通は縁石や舗装したランオフエリアへ出るだけだから、見ているだけだとドライバーがミスしたかどうかにくいんだけど、鈴鹿の場合はそうもいかなくて、ホイールがひとつコースから外れただけで、もうコースへもどれなくなってしまうんだ。
Q.だからこそ正確さが要求されるというわけですね?
クビツァ: もちろんそのとおり。だからこそ走るのが楽しいコースなんだ。
Q.シンガポールではタイトルを争う3つのチームの後ろを走っていましたが、鈴鹿はどうなるでしょう?
クビツァ: これからも、同じような展開になると思う。手強い相手がたくさんいるからね。全力をつくすのは当然だけど、シーズン終盤も容易な状況にはならないだろうね。ウチの場合、これからは新しいパーツがあまり出てこないから、周りがどれだけマシンの開発を進めるかによって戦況が変ってくるよ。それで、成績も大きく左右されるはずさ」。
◆ヴィタリー・ペトロフ
「最後の何戦かで、チームに自分の力を証明しなければならない」
Q.初めてF1で夜間レースを経験した感想はどうでしたか?
ヴィタリー・ペトロフ(以下、ペトロフ) 素晴らしいチャレンジだったけれど、実力どおりの結果が出せなくて、残念だよ。スタートは良くて10番手まで順位を上げていたし、セーフティ・カーが出たところでピット作業をしたチームの戦術も良かったと思う。タイヤを交換したあとは、(マーク・)ウェバーと(ティモ・)グロックの後ろという好位置につけていたんだ。だけど、(ニコ)・ヒュルケンベルクとアクシデントがあって、3つ順位を下げてしまったよ。あれがなければ、たぶん8位でゴールできたんじゃないかな。
Q.シンガポールGPのあと、ヨーロッパへもどったのですか?
ペトロフ: レースのあと、すぐに帰っていつもどおりトレーニングをして、2〜3日イギリスへ渡ってエンジニアたちとシンガポールのレースについて話し合ったんだ。もちろん鈴鹿の準備をしたし、エンジニアから去年のデータを見せてもらったよ。
ペトロフ:
有名なコースだから、初めて走るのが待ち遠しいよ。どうなるか判らないから、何とも言えないし、まったく未知の経験ということになるけれど、エンジニアの
話によると、すごく難コースみたいだね。マシンの状態が良いことを祈るだけだけど、とくに最初のセクターは高速でめまぐるしく方向が変るみたいだ。ひとつ
のコーナーで失敗すると、ずっと苦労しそうだよ。フルスロットルにしている時間が長いし、ストレートもあるから、Fダクトを上手く機能させることが重要
さ」。
Q.まもなくF1ドライバーとしての1年目が終りますが、これまでの結果に満足していますか?
ペトロフ:
最近のレースはかなり苦戦つづきだったよ。僕自身の経験不足と不運が原因だったと思う。マシンの状態を報告したり、理解したりという点では進歩したと思う
けれど、まだそれを結果にむすびつけられていないんだ。終盤のレースではチームに自分の実力を証明して、来年も残れるようにしたいね」。