可夢偉、バルセロナ合同テスト会見全録
ザウバーF1チームは、開幕戦に向けての最終テスト2日目を、エースの小林可夢偉に託した。可夢偉は、107周を消化、徐々に、タイヤを含む”感触”を体感し、クルマの素性もつかみ始め、やるべきことをいくつも発見したという。9日夕刻、テストを終えた可夢偉に訊いた。
◆可動リヤウィングは”悲劇”!?
Q.今日、ハマっちゃった、というのは?
可夢偉:いろいろやりすぎて、路面状況が変わることなどを気にせずにやりすぎて、ちょっとニュータイヤを履いてみようか、という頃には、想像違いの路面コンディション、プラスしてクルマになっていて。まぁ、これはしょうがないな、と思いますけど。いいものを寄せ集めていざ、というときに”あれっ?”という感じだったので、もう少し時間が必要かもしれないし、ちょっと1日考えて出直さなければいけないかもしれないし。
Q.”あれっ”というのはラップタイム的に?
可夢偉:そう。でも、ラップタイムがヤバイとかはないんですけど、多分、普通にいけば問題ないと思いますが゜状況、状況に合わせる速度が少し遅いな、と。例えばタイヤが、ミディアムになったり、ソフトになったり、ハードになったりするとバランスがどう変わるとかに対応ができていない。これはグランプリウィークになったらマズイな、と。それだけは今回しっかり取れていれば。クルマが変わったというのもありますね、エアロ(の規則)も変わっているし。でも、そんなに大きな問題ではないです。去年の意識をしっかり忘れることから入らないといけないですね。タイヤが分かればいいんですけど、すぐタイヤがなくなるから、比べようがないんでどうしようもないですね。
Q.今日は、通しのメニューとしては、もう少し長いスティントも予定していたのですか?
可夢偉:いや、そんなことはないです。
Q.トラブルは?
可夢偉:今回は、なし。KERS(カーズ=Kinetic Energy Recovery Systemの略。運動エネルギー回生装置)も。(ペレスが担当した)昨日も大丈夫だったらしいですし。
Q.カーズのトルクは?
可夢偉:まぁまぁですね。それよりリヤウィングの方が体感的に凄いから。
Q.今日は連続周回は短いですが、タイヤがタレているときのカーズの効きは?
可夢偉:それは問題ないですが、リヤウィングが悲劇ですよ。
Q.タイヤがタレてきたときの、使い方のタイミングで?
可夢偉:そう、マジでヤバイです。
Q.ミーティングの内容は?
可夢偉:特にないですが、タイムはあまり気にしないように、と。(今の段階では)あてにならないので。
Q.新しいパーツが入ったパッケージの効果は分かったということですが、いままでに比べて?
可夢偉:ダウンフォースが上がったのが一番、と最初は思っていたんですが、バランスが悪いとタイムが出ないな、というオチがついたんで(笑)。まぁ、最終日(明日はS.ペレスに交代し、可夢偉は1日おいて、ザウバーにとっての最終日となる11日を担当することになっている)、どこまでいけるか、という感じです。
◆やることは見えた
Q.バランスは、午後の最後の方に、安定していなかった。ピークがどこか分からない感じですか?
可夢偉:ですね。けっこう大変です。
Q.長い時間ガレージに留まっていたこともありましたが。
可夢偉:最高で20分くらいですよ。
Q.前回、100周を超えたときより今日の方が充実していた。
可夢偉:まぁまぁいろいろやったんですけど。なかなか難しい1日だったです。
Q.課題がたくさん見えた、と。
可夢偉:課題、というか、やることがいろいろ見えたと。まぁ、こんなときもあるでしょう、という感じ!
Q.それはチームとしても?
可夢偉:ですね。
Q.路面変化も大きかった。
可夢偉:路面変化どうこうではなくて、これで何かみつけられることもあるし、見つけようとしないと何も見つけられない。かわいい女の子も一緒でしょ? 見つけようとしなければ見つけられない(笑)。要するに、見つけに行かないと見つけられない、と言いたかったんですけど(笑)。
Q.とりあえず、街を歩いてみないと可愛い子が見つからない(笑)。
可夢偉:そうそう(笑)。
Q.開幕戦が伸びたのはよかった?
可夢偉:防弾チョッキをつけなくていいので。
Q.とはいえ、ちゃんとした路面温度のところでテストをしたかった?
可夢偉:でも、(気温の高い)バーレーンは、(路面が砂で汚れて)サラサラやから。最後の方に(なってタイヤラバーが乗った状態に)ならないと何とも言えないですね。みんな一緒やし、いいんじゃないですか。これがいきなり市街地だとしても、それをどう活かすか、ですから。
Q.午後の路面の変化は?
可夢偉:それが、路面の変化かどうか分からない。ラバーが乗るというか、ゴムが飛んでいるって感じです。ポンポン飛んでます。フロントもリヤも。
◆まずは予選
Q.逆に滑る。
可夢偉:
です。消しゴムみたい。前のクルマからも飛んでくるし。無理な扱いをしたわけでもないのに、なくなりそうです。
Q.他のチームは、レースシミュレーションをしたりしていますが。
可夢偉:まずは、予選でしょう。レースはそこまで心配していないです。とりあえず予選で前に行っとかないと。渋滞続きのボロボロのタイヤ、というのもあるんですけど。まぁ、まだまだ、やることあるかな、と。
Q.Q3(トップ10が残る最終予選)には残れそうですか?
可夢偉:それは(現段階では)どこもわからないでしょう。
Q.タイヤが替わって難しいといわれています。それは、ロングランの使い方と思いますが、予選での使い方も難しそうですか?
可夢偉:予選にならないと分からないです。
Q.予選シミュレーションは?
可夢偉:やっています。最終日は、どうなるか分からないです。
Q.タイヤの温め方は、ブリヂストンと変わりはない?
可夢偉:変わりがないといったらウソですけど、分かりにくいですね。”これ、いつきたんだ”みたいに。グリップがないから。ハードもソフトも。