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オーストラリアGP 決勝トップ3 記者会見

Q.見事なポールtoフィニシュでした。完全にレースをコントロールしているようでしたが?
セバスチャン・フェッテル(以下、フェッテル)
終盤には、少し落ち着いた展開になったんだ。ルイスの攻勢がそれまでほどじゃなくなって、ペースをコントロールしながら走れたよ。楽な戦いになるとは思っていなかったけれど、スタートがよくて助かった。最初のピットストップまでは、1周目につけた差を守りながら走っていたんだ。タイヤが消耗したところでルイスが追いついてきたから、ピットに入ったよ。あれ以上は走れなかっただろうね。コースに出たあと、ジェンソン(・バトン)を抜いたけれど、ルイスの後ろがどうなっているのかは判らなかった。今日はいろいろと勉強になったし、こんな形で開幕戦を終えられて良かったよ。

Q.タイヤや可動ウイングなど、新しくなったものはどんな感じでしたか?
110327TOP3-2.jpgフェッテル: 上々だったよ。ピレリは見事な仕事をしてくれた。テストの時は心配だったけど、予想されていたほどタイヤ交換の回数も多くなかったし。可動ウイングについては、特殊なサーキットだから、まだなんとも言えないよ。シーズンを通じてみれば、きっと追い越しに役立つ場面がでてくるだろうね。ここでも、前との差を詰めるときに効果的だったんだ。ジェンソンを抜いたのは2コーナーだけど、ストレートで接近できたことは間違いないよ。後ろのことは知らないけれど、そういう場面がほかにもあったんじゃないかな。

Q.1ヶ月前まで苦戦していましたが、2位という結果をどう捉えていますか?
ルイス・ハミルトン(以下、ハミルトン)
チームが頑張った結果だよ。2〜3週間前はトップ5入りも難しいと思っていたからね、2位なら最高だよ。信頼性からも、ここまで連続で走ったことはなかったから。序盤はセバスチャンとの差を詰めることすらできた。戦術的にも上手くいったし、次のレースが楽しみだよ。

Q.フロアパネルにダメージを受けた状態で走っていましたが?
ハミルトン:
いつあんなことになったのか、判らないんだ。コースアウトした時かもしれないけれど、その前からおかしかったような気がする。おかげでダウンフォースが大幅に低くなって、最後はマシンを労わりながらゴールを目指したんだ。

Q.スタートの時、(マーク・)ウェバーと競り合っていましたね?
ハミルトン:
出足はホィールスピンが多すぎて、あまりよくなかったんだ。セバスチャンに引き離されて、順位を落とさないようにするのが精一杯だった。KERS※のおかげで抜かれずに済んで、そのあとは問題なく走れたよ。

Q.20戦目にして始めての表彰台ですが、今の気分は?
110327TOP3-4.jpgヴィタリー・ペトロフ(以下、ペトロフ) こんな顔ぶれの中にいられるなんて、夢みたいだよ。テストではどのあたりに自分たちがいるのか確信が持てなかったけれど、この週末はすべて順調だったんだ。新しいパーツが効果を発揮して、予選も悪くなかった。レースに集中して、チームはすべてを完璧にこなしてくれたよ。胸を張れる成績だと思う。

Q.スタートで6位から4位まで順位を上げましたが、最後に(フェルナンド・)アロンソが追いついてきたときはどんな気持ちだったのでしょう?
ペトロフ:
まだ距離があったし、タイヤのことを考えながらペースを作っていたんだ。スタートではフェルナンドを抜くことに集中していたけれど、目の前にジェンソンがいて、ブレーキを踏まなければならなかったんだ。タイミングを見計らってブレーキを緩めると、いっきに前へ出ることが出来たよ。あれは気持ちよかったよ。

Q.開幕戦を終えて、どのチームが一番のライバルになると思いますか?
フェッテル:
昨日の予選ではルイスのマクラーレンに大差をつけていたけれど、長いシーズンを戦うのだから、どうなるか判らないよ。着実にマシンの開発を続ることが重要なんだ。今日のレースも楽しかったし、大事なポイントを獲得できた。ここは特殊なサーキットだから、あと1〜2戦してみないと、チーム力は見えてこないだろうね。ここにいる二人のチームはもちろん手強いし、フェラーリもいる。今回あまり冴えてなかったメルセデスが反撃に出てくることは間違いなさそうだしね。これからは接戦になるはずだよ。確実に完走してポイントを獲ることが、去年以上に重要になるんだ。

Q.圧勝だったと思いますがいかがでしょう?
フェッテル:
今の段階でそんなこと言うには気が早すぎるよ。とにかく勝てて良かった。オーストラリアは大好きな国だしね。ドライバーズ・パレードの熱狂ぶりなんて、独特の雰囲気があるんだ。パレードの時は、マークの後ろに隠れて、目立たないようにしていたよ。何しろ彼は地元のヒーローだからね。こんなに多くのファンがレースを観に来てくれるのは素晴しいことだよ。今日は天気も良かったし、マシンの状態は完璧だったんだ。序盤はタイヤのことなんかを考えながら慎重に走っていたんだ。それで、ルイスが近づいてきたけれど、最後はだんだん落ち着いてきてレースをコントロールすることができた。あとは、自分でつまらないミスをしないことだけだった。開幕戦はやっぱりいろいろな意味で緊張するね。やっとリラックスして美味いビールが呑めそうだよ。

Q.テストの時のように、タイヤの消耗でタイムが大きく落ちるということがありませんでしたね?
フェッテル:
そうならないようにするのが、チームとドライバーの仕事なんだ。グリップが落ちる前に、後続との距離を計算して、ピットに入れるようにしたよ。バルセロナとここでは、タイヤが消耗する程度もずいぶん違ったね。ピレリが素晴しい仕事をしたことは間違いないよ。

Q.壊れたフロアパネルの影響はどの程度だったのでしょう?
110327TOP3-3.jpgハミルトン: マシンの下を流れる空気が乱れるから、当然ダウンフォースが小さくなる。オーバーステアになって、高速コーナーやブレーキング時にはかなり苦しかったよ。1コーナーに進入するところでは、底突きしてホイールをロックさせることもあったんだ。原因はわからないけれど、たぶん何かの破片にでも乗ってしまったんじゃないかな。

Q.途中からペースが落ちたのはそのせいですか?
ハミルトン:
あれでも、落ちないように頑張っていたんだけどね。激しいドライバーだとよく言われるけれど、今日は安定した走りもできるっていうところを見てもらえたと思う。完璧な状態でセバスチャンと勝負するのが楽しみだよ。

Q.F1の表彰台に立った感想はどうですか?
ペトロフ:
ここにいられて、すごく幸せな気分さ。表彰台に立っている時は、信じられない気持ちだったよ。

Q.素晴しい結果ですが、レース展開は競り合うこともなく、単調だったのでは?
ペトロフ: マーク・ウェバーが前にいた時は全力でプレッシャーをかけたけれど、すぐにピットに入られたからね。後ろからフェルナンドが来たときも同じで、レース中に自分がいったいどこを走っているのか、判らなくなりそうだったよ。無線の状態もあまり良くなかったし。とにかく、タイヤに負担をかけないように、できる限り速いペースをキープすることに専念したよ。

Q.終盤、アロンソからプレッシャーを感じたのでは?
ペトロフ:
そうでもないよ。最終ラップに入るところでも、まだかなりの差があったからね。追いつくには時間がかかっただろうし、僕のタイヤも悪い状態ではなかったから。抜かれる心配はなかったと思うよ。

【翻訳:Shigehiro Kondo】

※KERS
ブレーキング時のエネルギーをチャージして、推進力にするシステム。 

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