ホットライン2011 round1 オーストラリアGP 1/3
クルマ好きのエディター・羽端恭一さんとSTINGER編集長が、オーストラリアGPの裏舞台をズバリ診断する。
◆”速すぎ&凄すぎ!”のフェッテル/レッドブル
羽端恭一(以下、羽端 )いやぁ、いよいよ始まりましたね! ・・・と、あまり明るく言ってはいけないような”モード”の中での開幕になってしまいましたが。
[STINGER-山口正己](以下[STG] )確かに、しかし、他のスポーツも同様と思いますが、ゲームを見て、苦労している方々や落ち込んでいる周囲の人に勇気が届けば、と思います。
羽端: ともかく、グランプリは始まった。「それでも地球は回っている」という言葉を噛みしめながら、今年も見ていきたいと思います。
[STG] 本当にそう感じました。開幕戦の会場で、チームやドライバーが、さまざまな形で応援メッセージを届けてくれていることを目の当たりにして、「世界は日本を見ている」ということがよく分かって、日本人として、大変ありがたいと思いました。
羽端: ……で、オーストラリアですよね?
[STG] メルボルンです。1985年にアデレードで始まって、1996年からはメルボルンに会場が移りました。
羽端: まず思ったのはね、あ、浜島さんの予言通りになったな、ということ。はい、セブ(フェッテルの愛称)の勝利でした。
[STG] 久々に”何もないレース”だった(笑)。しかし、レッドブルのスピードには脱帽です。
羽端: 速かったですね! これから先は、もちろんわからないにしても、少なくともこの開幕戦に関しては、文字通りの圧勝でした。
[STG] じつは木曜日の夕方のピットで、若干不穏な動きがレッドブル・レーシングにあったんです。
羽端: というと?
[STG] 金曜日に始まるスケジュールに向けて準備段階の最終段階の木曜日の夕方、じつは毎年、チームメイトのペレスの仕上がり具合をここで観察するんですが、ライバルのフェラーリやマクラーレンに比べて、ピットガレージが若干ドタバタしていた。
羽端: ほお?
[STG] 特に、フェッテルのクルマのリヤエンドに人が集まって、下にも3人もぐり込んで。なので、何か新しいアップデートパーツに不具合でも出てるんじゃないかと。
羽端: 期待した?(笑)
[STG] いやいや(笑)、レースが一人旅になってほしくなかったので。でも、残念ながら(笑)、そうはならなかった。
羽端: 画面で見ていて驚いたのは、バトンを抜くときの、フェッテルの抜き方です。フェッテルがピットインしてコースに戻ったとき、たまたまバトンの後ろにつくという展開になった。どうなるかなと思っていたら、追いついたコーナーで、一発! ブイッとパスして、それで終わり!
[STG] マクラーレンでさえ格違い?!
羽端: そう! 相手はマクラーレンで、決して遅いクルマじゃないはずなのに、まるで周回遅れをパスするときのように抜いていった。あれは凄かったな!
こんなこというの全然早すぎるけど(笑)三強とか何とかいうよりも「一強」で、ひとりだけ、抜けてる!
[STG] 少なくともシーズン序盤はそうでしょうね。でも、可夢偉のチームメイトのペレスの関係者に”別格”の話をしたらたしなめられました。
羽端: なんと?
[STG] 同じ舞台で勝負しているのに”あれは別格と言ったらオシマイ。あくまで、目指すのはそこ”と。簡単に別格と言ったのを反省しました。
羽端: なるほと。で、その「最強」につづくのが、もう一台のレッドブルと、二台のマクラーレンと、一台のフェラーリ。この四台がトップファイブを構成する・・・って、ちょっとあまりにも気が早すぎますかね?(笑)
[STG] (笑)でも、基本はそれだと思いますよ。
羽端: それで思ったのは、もしクビサがいたら、このオーストラリアでは、ひょっとしたら、彼ならフェッテルに”絡めた”かもしれないって。
[STG] ロシアン・ミサイルといわれるヴィタリー・ペトロフが表彰台?!(笑)
羽端: あのペトロフがあそこにいたんだからって、これはちょっと彼に失礼か(笑)。まあ、タラレバ話はいけないですけど、でも、ルノーも確実にトップグループにいますよね。
[STG] じつはルノーは、2月半ばのテストの段階で、周回ペースの安定度が抜群で、”仮にいまシーズンが始まったら、もしかするともしかする、と言ってる人がいましたからね。
羽端: もちろん、こういう与太話というか無責任な(笑)予想は、今後、実際のシーズンで、まったく覆されることを期待しつつ、ここで喋ってるわけでして・・・。
[STG] 同感です(笑)。
羽端: それにしても、セブが”ひとり旅”しちゃう、つまらないレースになるかも・・・と予想した”浜島プロ”に、あらためてハットオフ! 恐れ入りました。
[STG] 浜島さんじたい、当たっちゃってガッカリしているところもあったりして(笑)。でも、20℃ほど気温が高くなるマレーシアは、”異変”が期待できるかも、ということで(笑)。