ジャン・アレジが観た中国GP
グループ・ロータスのスポークスマン、ジャン・アレジによる中国GPの解説
オーストラリアとマレーシアで表彰台に立つ素晴しい活躍を演じたあとだけに、難しいレースだったと思う。期待どおりの結果が出なかったのは残念だが、それでもマシンの状態は悪くなかった。
雲行きが怪しくなったのは予選からだ。(ヴィタリー・)ペトロフのトラブルが何だったのか、はっきり聞いていないけれど、それで走行開始が遅れ、(ニック・)ハイドフェルトまで結果を残せなくなってしまった。Q1のタイムはよかったし、Q2ではペトロフが4位につけていたのだから、スピードに問題はない。
ふたりとも後方から追い上げるレースになり、後から考えると3ストップ戦術を採ったほうがよかったかもしれない。もちろん、レースが終わってしまったあとからなら何でも言える。
マシンの改良は確実に進んでおり、最高のトップスピードをマークしたのも明るい材料だ。データの分析とならんで、よかった点を確認しておくことも重要だ。予選でもマシンは早く、決勝では2台揃って完走した上、ペトロフが貴重なポイントを獲得した。
ドライバーとしては、間隔を置かずに次のレースを迎え、実力を示しておきたいところだろう。技術陣もトルコで開発の成果を見せるのが待ちきれない気持だと思う。
今シーズンの新しい要素では、タイヤの変更がもっとも大きく影響している。そのために終盤の緊張感が高まり、ファンにとっては見応えのあるレースが続いている。最後まで、まったくレースの行方が判らないからだ。可変ウイングの使い方は、どうも感心できない。KERS(カーズ=Kinetic Energy Recovery Systemの略。運動エネルギー回生装置)の効果も疑問だが、これについては、あと2〜3戦ほど様子を見てみる必要があるだろう。確かなのはレース展開がとにかく面白いということで、きっとのちのち語り継がれるようなシーズンになるはずだ。