小林可夢偉 スペインGP-レース後会見
「二戦つづけてのパンクは悔しい、もっと”硬い”タイヤをつくってほしい!(笑)」
◆芝生に押し出され、リヤタイヤに追突され、タイヤを失った
—-四戦連続でポイント獲得ですが、しかし、タフなレースでした。まず、一周目のパンクは?
可夢偉:スタート直後に、アルゲルスアリに押し出されて、芝生の上だったので、一回アクセルを抜いたら、その後ろの緑のロータスと闘っているうちに、コバライネンがブレーキをロックさせて、ぼくのリヤタイヤにウイングを当てて、それでパンクして・・・。
また、前回と一緒のパターンで(ピットに)帰ってきて(笑)、硬いタイヤでスタートして、という展開でした。
—-やられちゃったのは、コースの前半?どのへんだったんですか?
可夢偉:えーと、ターン5かな。
—-そこからのレースですが、たぶんこのアクシデントで作戦を変更して、25周をプライムタイヤで走行したと思いますが?
可夢偉:あれは、シビレましたね・・・(笑)。(ロングランの)最後の方は、ハンドル切らなくても、勝手にクルマが曲がっていくんですよ!
—-そのあとは、オプション〜オプションとつないで行って。でも、オプションの最後のスティントは長かったですね、20周以上?
可夢偉:22周、かな。あれはもう、しょうがないです。ツーストップやから、実際ぼくの場合は。
—-でも、ペースを見ると、上位陣と同じような「27秒台」で周回してましたね?
可夢偉:そうですね、まあ、残念です。パンクさえなければ・・・。もっと余裕で、もっと前のポイント(順位)に行けたと思うし。
◆バルセロナでも”抜ける”ということがわかった!
—-残念ということですが、オプションを履いてのパッシングしまくり、というのはかなり楽しかったのでは?
可夢偉:まあ、バルセロナでも”抜ける”というのがわかったし、実際、タイヤをうまく使って、(実質)ツーストップというかたちなんですけど。それで、こういうレースができて、チームとしても初めて二台がポイントを取ったレースで、ぼくとしてもよかったと思います。また、チームがすぐに戦略を変えてくれたことも、すごく感謝してます。
—-パンクのときは、どんな感情が?
可夢偉:いや・・・(笑)、二戦続きなんで、パンクが。硬いタイヤ、作ってくれないかなと。グリップするんじゃなくて、硬いタイヤ、切れないタイヤを作ってくれないかな、と思いましたね(笑)。
—-次のモナコ、去年よりは期待していいですか?
可夢偉:そうですね、去年ほどひどくないと思うんで、落ち着いて、しっかり、つづけてポイントを取れるように頑張りたいと思います。
—-ただ、簡単に”ポイント”といいますが、実はその獲得は、それほど容易ではないと思うんですけど?
可夢偉:そうですね、前にトップチームはいるし、そういう意味では簡単ではないんですけど。逆にね、この二戦、パンクがなかったら、けっこういいトコに行ってると思うし。そういう意味では、クルマのパフォーマンス的には自信を持っていいんじゃないかと思ってます。
—-ここまでF1で実績を上げた日本人ドライバーは、これまでいないんですけど?
可夢偉:日本人って(いう限定で)見るからじゃないですか?
—-じゃあ、そう見ないようにします?(笑)
可夢偉:ええ、見ないでください。日本語が喋れる、と思ってください(笑)。
◆プライムタイヤでも速かったのは、なぜ!?
—-最初にタイヤが”切れた”とき、見てる側としては、ダメだ!と思っちゃうけど、ドライバーとしては?
可夢偉:そりゃ、ダメでしょう!(笑)ヨッシャー!と思いますか?・・・でも、もうパンクないから大丈夫です。
—-スタート自体は?
可夢偉:スタートはよかったです、ただ、アルゲルスアリに押し出されて。
—-スタート時のタイヤは?
可夢偉:オプションです。
—-それで何周くらいまで走る予定だった?
可夢偉:早く行く(入る)か、遅くか、どっちか。8周で入るか、15周まで行くか。
—-昨日、最初にプライムは履かないのか、ジョーカーは最初に、というジョークで質問したけど、今日は結果的には、そういうレースになって──。でもそんなに遅くならずに走れたけど、どうしてなんだろう?(笑)
可夢偉:知らない(笑)。ただ、今日、ぼくはオプションは二つ(2セット)しかないんです。それを、20/20(周ずつ)で頑張っても、40周でしょ。じゃあ、残り24周をどうやって走るか。
どっちみち、プライムで(レースを)しないといけない。だから、どっかでプライムで頑張らなきゃいかんな、という──。
—-でも、そのプライムでの走行が、話を聞いてイメージしているよりもずっと速くて?
可夢偉:まあ、けっこう、速かった! プライムで、前に追いついちゃって。あれ、これプライムだっけ?とか(笑)
—-それは、路面温度が上がって?
可夢偉:(ではなくて)ひとり、単独で走ったから。
—-タイヤは、長く走るために、すごく気をつけて走っていた?
可夢偉:いや、そんなに(特別なことはしてなかった)。
—-今回は、よく頑張ったというよりは、むしろ、悔しい?
可夢偉:そうですね、二戦つづけてのパンクは、ね。