ホットライン2011 round5 スペインGP 1/2
クルマ好きのエディター・羽端恭一さんとSTINGER編集長が、スペインGPの裏舞台をズバリ診断する。
◆ザウバーの”動きの悪さ”を指摘しはじめた可夢偉
羽端恭一(以下羽端):えー、私は、レース界の”ギョーカイ人”ではないので──。
STINGER編集長山口正己(以下STG):え、いきなり何ですか、そのフリ?! (笑)
羽端:だから、多少”破天荒”なことでもコメントする権利がある!?
STG:まぁ(笑)。
羽端:そういえば、鈴鹿に「破天荒」っていうお店がありましたよね、焼き肉屋さんでしたっけ?
STG:中華ですよ!!
羽端:あ、そうでしたっけ?(笑)ハハハ・・・いや、その、いったい何かといいますとね、ぼくら「小林可夢偉」の発言というのを、興味深くずっとフォローしてきてるわけですが。
STG:レース前から、レース後、さらにはオフでもね。
羽端:その発言が”変わった”と思うんですよ。コメントの内容やそのトーンに変化がある。時期としては、スペインに来てから。
STG:お、そうですか?!
羽端:アジア/オセアニアのオープニング・ラウンドが終わって、ちょっと長めのインターバル(休み)があって、いま、ヨーロッパ・ラウンドですよね。
STG:ですね。ヨーロッパ・ラウンドの象徴であるトランスポーターとモーターホームは、前回のトルコGPからパドックにヨーロッパ・ラウンドの象徴である”F1村”を作っていましたけど、イスタンブール・サーキットはアジア側だし。
羽端:編集長みたいに、グランプリが連チャンなので、南欧に”ハリツキ”という人もいるわけですが(笑)。
STG:日本からの仲間はみんなそうしてますね。往復するのは時間的にも経済的にも、そして体力的にもメリットがない。女房の顔が見られる、というのはありますけど(笑)。
羽端:いいから、早く本題に?(笑)そうですね、じゃあ、行きます! 可夢偉のどこが変わったかというと、それは「対ザウバー」のスタンス──
STG:あ、なるほど。
羽端:これまでの可夢偉は、去年も、そして今年の前半も、チームがどんなにボロボロの状態だったときでも、”チーム批判”につながるような発言は一切しませんでした。
STG:ですね。誰かのせいにしない。与えられているもので戦うのが自分の仕事、という考えが徹底しているからだと思います。
羽端:そう! その、与えられている条件内での最善を尽くすという可夢偉の姿勢は、ほとんど感動を呼ぶものでしたね。少なくとも私は、おお、偉いやっちゃな!と、ずっと思ってました。
STG:フム。
羽端:しかし、スペインでの木曜日の会見のなかに、こんなフレーズがあります。
「ここが問題だということは(チームに)言ってるんですけど、その原因が何から来ているかが(チームは)わからない」。そして、「たったコンマ3秒分のアップデート? 俺は聞いてない、ショックやな、ロータスでさえ『1秒』なのに」とか・・・。
STG:私も、ちょっと驚きました。
羽端:もちろん、メディアを通じてのチームへの激励というか、チームへの公開”ラブレター”というか、そういうことが行なわれることはあるでしょう。
STG:あります。特にイタリアの場合は、効果絶大のようですけど(笑)。
羽端:でも、それなら、こことここは直したいんだ、変えたいと思ってると、何気なく言えば済むことで。
STG:ですね。ただし、日本語で出てもどうよ、というのは残念ながらあるけれど(笑)。
羽端:このコメントですごいのは、このチームは、「ドライバー小林可夢偉」が何を指摘しても、それを改善する能力がない!と言ってること。
STG:なるほど。
羽端:思わず可夢偉が、こんなことを喋っちゃうような、そういう”何か”が──
STG:ありそうですね!!
ホットライン2011 round5 スペインGP 2/2に続く。