オリジナル リリース-コスワース【ヨーロッパGP プレビュー】
2011年6月23日 木曜
公道サーキットには珍しく、バレンシアでは平均以上にパワーの重要性が高い。馬力とラップタイムの相関関係はカナダより若干低い程度なので、前回同様コスワースCA2011のパワーと扱いやすさが威力を発揮する。
低速コーナーが8ヵ所あり、低いギヤで加速する回数が多く、レース距離も比較的長いことから、2010年はスタート時に積まれる燃料がもっとも多かった。
一方、アベレージ・スピードが高いため、予想される暑さの中でも、モナコほど冷却が問題になることはない。
タイヤの消耗という外的な要因もエンジンの性能に影響を及ぼす。グリップが落ちるとドライバーは早めに減速し、加速態勢に入るのが遅れるので、燃料の消費は少なくなる。こうしたことから、スタート時の理想的な燃料の量を割り出すのは非常に難しい。タイヤの消耗が予想よりも少ないと、ドライバーは燃比を絞って燃料消費を抑えなければならず、そうするとパワーは落ちる。逆にタイヤの消耗が激しければ、必要以上の燃料を積んで走ることになるのだ。
2010年もドライバーはピットからの指示でたびたびエンジン・マップを変更していたが、今年はそれ以上に見通しの効かない展開が予想される。
【翻訳:Shigehiro Kondo】