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ホットライン2011 round9 イギリスGP 1/2

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クルマ好きのエディター・羽端恭一さんとSTINGER編集長が、大混乱のイギリスGPの裏舞台をズバリ診断する。

◆スポーツてんこ盛り、真夏の週末
羽端恭一(以下羽端):
ワハハハ、いま何時ですかね?(笑)国内にいながらの、ひとり時差ボケというやつをやってます。日曜日の深夜〜早朝は、なかなかタイヘンでした。イギリス・グランプリがあって、それだけでなく、日本の地上波では、いろんなスポーツの中継がてんこ盛りで・・・。
[STINGER]編集長山口正己(以下STG):
ですね。あちこちで日本人が大活躍!

羽端:グランプリ中継のあと、ちょっとチャンネルをいじると、サッカー女子ワールドカップの「日本対ドイツ」戦の録画中継があって、さらに、ゴルフでは生中継で全米女子オープンも見られた。
STG:でもって、さらにアメリカのインディカーですから(笑)。

羽端:サッカーは、もちろん、日本勝利という結果はわかってて見てたんですけどね。この試合に関しては、敗者となったドイツの女性監督のコメントがよかったな! ナイトさんという方みたいですけど、ロイター電によれば、「ゴールを決めないと負けるのがサッカー。今日はあと何時間やっても(ドイツのゴールは)決まらなかったと思う」とコメントされたそうで。
そして日本チームについても、「素晴らしかった。規律正しく、(ドイツが)攻めようとしても戻りが速かった。日本選手のボール扱いのうまさには感心した」と賛辞を惜しまなかった、と。敗戦の弁として、歴史に残る見事なものだと思いました。

STG:お、潔し、ですね。武士、マイスターか、ナイトか。
羽端:ゴルフ中継は、やっぱり、「ナマ」でやるというのがエラかった。さらには、サスペンディッド続きで、時間というかスケジュールがメチャクチャになっていたにも関わらず、定時番組を吹っ飛ばして、エンエンとゴルフ中継を続けた。可夢偉が入賞しそうなF1中継を途中で止めちゃった、どこかのキー局とは較べようがないほど。
STG:ぎゃふん(笑)

羽端:あるイベントについて、キー局が独占で中継権を持っているのなら、その権利は、視聴者に向けて、大きな責任とともに、正しく行使されるべき。全米女子ゴルフにおける、今回のテレビ朝日の英断には、メいっぱいのスタンディング・オベーションを送ります。
STG:同感です! ところで、久々に地上波を観たんですけど、オープニングの作り込みはよかったですね。内容的にも、みなさんおっしゃるほどに悪くない気がしたなぁ。モナコのときには、アナウンサーが”カムイ!! カムイ!!”と絶叫しまくって、ひどかったようですけど。

◆レッドブルとルノー・エンジンをめぐる”確執”が・・・

羽端:シルバーストンですけど、まずは、不運ばかりだった可夢偉の週末という印象があります。
STG:ですね。彼の方から、”しょうがない”というコメントが聞かれました。

110713HL-3.jpg羽端:そうでした、あんまり、その種のことはいわないドライバーなのに。英国の今週末は、天候が不順というか、読みにくそうな状況で、いろんな意味での”スクランブル”を期待してたんですが。
STG:それと、久々のパーマネント・サーキットで、”エンジニアリングの勝負ができる”ということで、チーム側も期待していたようですが、とある事情で、台無し(笑)。

羽端:決勝レースが始まっても、いったいどのタイヤが”いい”のかというむずかしさがあったようで。
STG:それもですけど、例の”ディフューザー騒動”で、政治的な動きが渦巻いて、エンジニアリングどころじゃなかった、という舞台裏があったようです。

羽端:おお、レッドブル潰しとも取れる規則変更ですね?
STG:ですです。弱い者イジメじゃなくて、強い者イジメ(笑)。エンジンの排気圧を利用して空気の流れを促進してダウンフォースを稼ぐ”ブローン・ディフューザー”のスロットルオフ時の規制を突然入れようとしたFIAとそれを推すチームとレッドブルの戦いというか。

羽端:
一番不利になるというか、影響が出そうだったのがレッドブル?
STG:のようです。逆に言えば、最も効果が出ていた。問題は、アクセルオフの時でも、排気が出ている。つまり、コンピュータ制御でアクセルオフしているのにしていない、というよく分からない状況で(笑)。

羽端:シャシー設計の基本部分に、その”排気利用”が織り込まれている、これが今年のレッドブルらしく? あと、ルノー側も、うちのエンジンはアクセル・オフでも高回転で回ってる設計だと頑張たようで? 
STG:らしいですね。FIAは、アクセルオフした時に10%スロットルが開いているのは許可する、としたんだけれど、レッドブルは、それでは今の設定でエンジンが壊れてしまうから50%にしてくれと。

羽端:あ〜、そういうバトルですか。その結果が20%に? 
STG:一応ね。しかし、今後、どうなるか、まだ分からないです。面白いのは、こうした時の”大人の駆け引き”。FIAは最初に”10%”と言っておいて、”そうおっしゃるなら20%”と言ったこと。

羽端:10%はあくまでブラフで?(笑) 
STG:クリスチャン・ホーナーとエイドリアン・ニューウェイは、生粋のレース屋とデザイナーなので、”商談”は下手だった、というようなことじゃないかな、と。

110713HL-2.jpg羽端:フフフ、”商談”ね(笑)。なるほど、あの二人には、ちょっとムリかも? 
STG:それはともかく、そのディベートが、金曜日のセッション開始後まで、いや決勝レース直前までスッタモンダ行なわれて、だから落ち着いてエンジニアリングどころじゃなかった、ということらしい。

羽端:でも、レース後には、結局、もとのままにしようじゃないかという動きもあるようで。そもそも、シーズン途中でのレギュレーション変更というのも、ちょっとおかしいし。じゃあ、これまでのポイントは”違反”だったのか、ということにもなりかねない。
STG:それがよくも悪くも”大人の世界”(笑)。


ホットライン2011 round9 イギリスGP 2/2
に続く。

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