[STINGER]インスピレーション(金曜日フリー走行1-1)
<金曜日の午前中にやっておきたいこと>
●ドイツGPのフリー走行1は、いつもと違う様子で始まった。10時のセッション開始早々に、トップチームも続々とコースインしたのだ。
●天気は曇り。青空が広がって、完全ドライ路面だったが、天気予報は、昼過ぎの2時頃から雨を伝えていた。アテにならない、というのがニュルブルクリンクの天気予報らしいが(笑)、もし雨になったら、と考えるチームは、ドライの間に確認したいことが山ほどある。
●まず、シーズン中のテストが禁止されている。最近の金曜日のフリー走行1は、そのレースではなくて、先のレースも見越したアップデイトパーツの確認時間に充てられるようになった。
●チームによっては、新人ドライバーのトレーニングの場と、新パーツのテストを兼用する場合もあるが、トップチームは、ここを有効に使って新しい”何か”をしておきたい。
●そうした事情に、”午後から雨かもしれない”、という不安が加わり、さらに”新しいタイヤ”が登場したから、ことは面倒だ。
●ピレリは、ニュルブルクリンクに、イエローとホワイト(ソフトとミディアム・コンパウンド)を供給するが、実はイエローは2種類存在し、金曜日には、今後の評価をするために”耐久性が高く、デグラデーション(グリップの落ち込み)が低い”イエロータイヤが追加された。
●以前は、金曜日のフリー走行1で大方のレースセットを確認して、午後のフリー走行2で予選も睨んでセットの幅を攻め込んで、土曜日の午前中のフリー走行3でレースセットを煮詰め、残り20分ほどで予選シュミレーションに突入! というやり方が普通だった。
●だから、初めて走る金曜日のフリー走行1は、路面の汚れを下位チームに”掃除させ”その間トップチームは、準備万端整えてピットで待機、というスタイルだった。それが、シーズン中のテストが禁止され、新たなタイヤが投入されたことで、時間の使い方も変化した。
●金曜日の午前中のフリー走行1で最も多く周回を重ねたのは、フェラーリのフェルナンド・アロンソだった。