[STINGER]インスピレーション(土曜日-1)
●低い気温でメルセデス・エンジンのパワーが炸裂
ニュルブルクリンクは、全長22kmに及ぶオールドコースの高低差300mには及ばないものの、62mのアップダウンがある。さらにアンジュレーションや路面の勾配で、4輪を効率よく接地させることが難しいコースだ。
そこでドイツ人ドライバーが上位に連なっているのは、地の利を活かして、コースを熟知しているからかもしれない。
高低差はそれほどないものの、登り区間の加速を考えると、エンジンパワーは有効だ。トップ10番手に、メルセデス・エンジン搭載車が5台入っているが、気温が低いことでメルセデスが有効にパワーが出せる環境が整った。もともと、燃費がいいとされるメルセデス・エンジンだが、気温が上がると、燃料が希薄な分だけ冷却に難が出る。気温の低さがメルセデス・エンジンの味方になると、ライバルのフォース・インディアやメルセデスが優位になって、小林可夢偉の乗るザウバーにとっては厳しい展開になることが予測される。
[STINGER]山口正己