小林可夢偉 レース後・会見【アブダビGP(日)】
◆チームとしてトロロッソを押さえ、自身もポイントをゲット!
—-8戦ぶりの入賞、ポイント獲得で、ちょっとホッとしたという感はありますか?
可夢偉:8戦ぶり、ポイント取れただけでもよかったと思わなくちゃいけないし、何とか(チームとして)トロロッソの前に行けた。自分としてもポイントを取れたので、よかったなと思います。
—-タイヤの戦略としては、プライムで最初に出て行って、それを早々と捨て、あとをオプションでつなぐという作戦でしたが?
可夢偉:そうですね。実際はプライムで(の走行をもっと長く)引っ張りたかったんですけど、あまりにも遅かったので(笑)、換えざるを得ないということになって──。結局、ツーストップになってしまったんですけど。(作戦としての)実際は、ワンストップを狙いたかったというのが本音ですね。
—-でも、そのあと追い上げるかたちになって、オプション・タイヤでとても速かった! レースの後半は上位と同じ(1分)「43秒台」で走ってましたけど?
可夢偉:そうですね、ペース的にはけっこうよかったと思うので。まあ、残念なのは、プライムでうまく走れなかったということぐらいじゃないかなと思ってます。
—-せっかくね、好スタートで順位を稼いだのに?
可夢偉:そうなんですよね。もったいないですけど、まあ(それが)レースだし。ほんとに、硬い方のタイヤが、ぼくら(ザウバー)にとっては、とても使いにくいタイヤで。”ぼくら”と言うより、ぼくが特に使いにくくなってたので。そういう意味では、きびしいレースではあったんですけど、そういうなかで、ポイントを取れてよかったと思います。
—-ペレスを抜いて、ポイント圏内に戻ったわけですが?
可夢偉:まあ、彼(ペレス)も、フロントウイングを一回換えているので。そんな中で、ポイントを取れたというのはよかったし、チームにも感謝したいと思います。
—-後から考えてみると、ひょっとしたらですが、プライムを1周とか2周でもっと早く”捨てちゃって”いれば、前のディレスタにも追いついていた・・・ということもありそうですが?
可夢偉:まあ、実際、ピットストップで、ナットを落して3秒くらい損してたんで、けっこうムダな部分というのはあったと思います。でも、まあ、しょうがないです、それもレースなので。
—-今日のレースの満足度は? 自分のなかでは?
可夢偉:満足度というよりも、まあ、何とか”仕事ができて”よかったなと思います。
—-ちょっと、ホッとしましたか?
可夢偉:ホッとといっても、あと、残り一戦だけなんで。もうちょっと、最後のレースで、なんとか”いいレース”をしたいなと思ってるだけなんで。あんまり、ホッとしてる場合でもないと思ってます。
—-ペーターさんは、先ほどインタビューを受けて、嬉しそうでしたよ?
可夢偉:ほんとですか? ぼくは、あと”もう一個”(ワン・レース)あるんで、頑張ります!
—-ライバルとの差を考えても、まだ、気は抜けませんよね?
可夢偉:ええ、このポジションを守れるように、何とかブラジルで、いいパフォーマンスを見せたいと思ってます。
◆決勝でのペースは、土曜の段階で、実は自信があった!
—-スタートでは、どうやってポジションを上げた?
可夢偉:スタートがよかっただけなんで。
—-1コーナーまでに4台くらい抜いていた!
可夢偉:わかんない。1コーナー、セナを抜いて、そんな感じで・・・。ハッキリ、誰と誰を(抜いた)というのは覚えてない。でも、(抜いたあと、ピットに入ったから)プラマイ、ゼロになったけど。
—-昨日、レースのペースには期待ができると語ってましたよね?
可夢偉:そうそう! レース・ペース(のセットアップを)中心で、今回やって来たから。そういう意味では、ソフト・タイヤでのレース・ペース自体はよかったと思います。ただ、ハード、ミディアムで、うまく走れなかったということで。まあ、これがずっと、予選でも、けっこう課題なんで。まあ、しょうがないかなと思ってます。
—-ピットでのロスというのは、二回目の?
可夢偉:そう、単純に、ナットを落とした!
—-それがなかったら、前のディ・レスタは、捉まえられた(抜くことができた)かもしれないね?
可夢偉:しょうがないです!
—-最初のピットインは、あらかじめ決めておいて、すぐに入った?
可夢偉:いやいや、あんまりにも遅かったから! もう、入ろうということで。
—-それは可夢偉選手の方から申し出て?
可夢偉:いや、チームが「どう? グリップしない? ヨシ、入ろう!」(笑)
—-ロータスのコバライネンが速かったよね?
可夢偉:そう、全然(プライムでは)ついて行けへん!
—-なす術なく、抜かれてたよね?
可夢偉:そうそう! 完全に(プライムでは)遅すぎた。
—-二回目のピットインのタイミングは、周回遅れになるのを待って?
可夢偉:周回遅れになったのは、最後の周。ガソリンをセーブするために、先に行かせて──(1周少なくて済む)。
◆ラストは、燃料をセーブした走りになっていた
—-最後のペースは、思っていたとうりで?
可夢偉:あれでもかなり、セーブはしてたんですけど。
—-“長いトンネル”抜けられてよかったですか?
可夢偉:大丈夫! 次のブラジルで、トンネルもクソも言ってられないから(笑)。
—-二つあったDRSは、二個目で抜いた方がいいよね?
可夢偉:そう、一個目で抜いても、二個目で抜き返されるから。一個目は措いておいて、二個目で KERS とリヤウイングで(併用して)抜けばいいのに、そうしないから、抜き返される。
—-最後のスティントのペースは、想定よりも速かった?
可夢偉:あんまり”想定”はしてなかった。
—-燃料が足りなくなったのは、想定より速かったからでは?
可夢偉:・・・じゃなく、どっかでセーブするつもりだったんですけど。セーブする間もなかったんで。ずっとプッシュしていたので。
—-今日は、最初のプライムのと
きは別として、ずっとプッシュできたレースだったということ?
可夢偉:(うなずく)
—-グッドレースでした!
可夢偉:ありがとうございます。