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小林可夢偉 予選後・会見全録【オーストラリアGP(土)】

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Q2は、タイヤが冷えてしまってアタックできなかった。7〜8番は狙えたのに!」


◆前をふさいだウェーバーが道を譲ってくれなかった・・・
—Q2はいったい何があったんですか?
小林可夢偉(以下、可夢偉):えー、まあ、完全にタイヤが・・・トラフィック(渋滞)に引っかかると、一気にタイヤが冷えて、グリップしなくなるんで・・・。それで最後、ウェーバーに引っかかって、それで見事にタイヤが終わっちゃった感じなんで。

—-Q2の最初(の走行)は、中古のソフト?
可夢偉:中古のソフトですね。

—-中古のソフトで出て行ったら、すぐに赤旗で戻ってきて、それでその次に出て行った新品のソフトのときに? 
可夢偉:ウェーバーに引っかかって。(彼が)行かしてくれなくて、結局、スローダウンしたら、タイヤが温まらなかった。

—-セクターワンから、引っかかっていた?
可夢偉:そう、行かしてくれなかった。

—-アウトラップでの(タイヤの)”暖め”は順調に行った?
可夢偉:アウトラップの”暖め”がダメだった。

—-そこで、ウェーバーに?
可夢偉:そうそう。もう一度、暖め(可夢偉は”あっため”と表現する)に行ったんだけど、最後に一度冷やしてるから、暖まりにくかった。

—-(冷えてると)クルマの挙動が変わっちゃう?
可夢偉:全然、違う。

—-グリップがなくて?
可夢偉:(うなずく)

—-手応えとしては?
可夢偉:まあまあ! そんなに悪くはなくて、たぶん(予選順位は)7番か8番だったと思うんですけど。そのへんで(グリッド的には)十分だったと思うんですけど、そこに行けなかったというのは、すごく残念です。・・・けっこうバルセロナでも、タイムが安定してなかったというのがあって、その傾向に似てるんで、そこはしっかり、理解しないといけないな、と。

—-タイヤのスイートスポットがちょっと外れると、こうなっちゃうということ?
可夢偉:そうそう。

—-暖め方がむずかしいということではないよね?
可夢偉:暖め方というか、もう、ゆっくり走ったら、ダメやから。とりあえず、出て、ひたすらプッシュするしかない。

—-去年は、何をどうやっても(タイヤが)温まらないというのがあったけど、それとは違う?
可夢偉:去年よりちょっとマシなんですけど、まだ、やっぱり、”前”(フロントタイヤのウォームアップ)が足りてないかなという感じ。

—-Q1のあのタイムは、うまく暖められて?
可夢偉:でも、あれもトラフィックには引っかかったんですよ。あれさえなければ、あとコンマ何秒かは上げられた。

◆今年のクルマは「まあまあ!」 
—-ポテンシャルとしては、今年のクルマは?
可夢偉:まあまあ! 

—-7番か8番は狙える?うまく行けば、6番も?
可夢偉:そこまでは、ムリですよね。

—-そのくらい(7〜8番)というのは、いつ頃からわかってた? 昨日?
可夢偉:まあまあ、そんなもんだろうな、と思いながらも・・・。

—-予選開始前にガレージで準備をするのを見ていましたが行動や表情が、すごく気合いが充実してるように見えたのですが、自信があった?
可夢偉:そんなもんやろうな、という・・・。そのくらい(7〜8番)でスタートできれば、レース(決勝)は十分やったから。

—-クルマは、昨日から今日にかけては、とくにいじってない?
可夢偉:ええ。

—-路面温度がもう少し高かったら、タイヤは暖めやすかった?
可夢偉:あんまり、そんな問題じゃないです。まあ、もうちょっとというか、かなり(温度差が)大きかったら、違うけど。”ちょっと”じゃ、たぶん、変わらないでしょ。

—-予選1ラップの”一発”は、そこそこ行けた?
可夢偉:まあ、ほかのチームほど”上がり幅”はないかもしれないけど、7番、8番というのは(そうなれば)十分だと思えるような場所だったので。

—-「25秒台」には入れた?
可夢偉:25秒台には、絶対。

—-予選重視のセットアップをした?
可夢偉:あんまり、そんな余裕もないんで、べつに・・・。レース重視とか予選重視とか、まだ、そんなの(セットアップは)見つかってない。

—-ソフト側タイヤの使い方が、とくにむずかしかったということでもなく?
可夢偉:単純に、スローダウンすること、スペースを空けることがいけないだけやから。

◆レース戦略は、まだ、まったく見えていない
—去年に較べて、二種のタイヤの差が少なくなってると思うけど、それは、今日見えた?
可夢偉:ええ、見えてます。

—-ということは、レースの戦略も見えてる?
可夢偉:いや、もっと”見えない”んじゃないですか。

—-逆に、見えない?
可夢偉:今回、金曜日(フリー走行)の二回目(のセッション)、走れてないから。(去年より)もっと、見えてないですよ。

—-去年は、グリッドが後方でも、ハードタイヤをうまく使ったりして、上に上がってくるというようなことがあったけど?
可夢偉:ウン! 

—-今年は、それがむずかしくなっている?
可夢偉:わかんないです、やってみないと。どれだけ(タイヤが)保つかも、わかってないので。・・・でも、誰も、ロングランで10周以上やってないんじゃないですか。問題は、(タイヤ性能が)上がっていくんだけど、(その性能が)どこで落ちるかわからないというデータばかりだから、使いものにならない。(ドライバーとしては)”落ちた瞬間”を見たいんだけど、それを、見てないから。それ
がわかったら”神”ですよ!(笑) 

—-ということは、それを、明日のレース中は感じながら、レースすることになる?
可夢偉:感じながら?・・・それは、周りが見るんじゃないですか。ぼくらは、自分のクルマはわかるけど、周りはわからないから。

—-ドライブしていれば、”落ちてきた”ということはわかるよね?
可夢偉:それはわかるけど、周りに対して、問題は。周りがもっと(ぼくより)落ちてるなら、それはいいし。

—-今日の上位の結果というのは?
可夢偉:まあ、テストと同じようだな、と。(テストのときから)マクラーレンは速かったし、メルセデスも。フェラーリはボコボコだったし。

—-上位も、そんなに遠くにはいない感じ?
可夢偉:遠くはない・・・んですけどぅ。まあ・・・、遠くにはいないんだけど、でも、攻めるのはなかなかむずかしい。

—-フェラーリよりもザウバーは速いですよね? 予選も決勝も?
可夢偉:そう思うんですけどね。

—-直近のライバルのフォース ・インディアは?
可夢偉:レースを見てからにしましょ!(笑)

◆ザウバーが上昇したのではなく、周りが落ちてきた! 
—-Q1は、あのままミディアムタイヤでもクリアできたのでは?
可夢偉:ぼくも(チームに)聞いたんですけど、一戦目だから何が起こるかわからないということで(ソフトを履いた)。まあ、妥当な判断ですよね。

—-ミディアムでの、あの最初の(速い)タイムは、スンナリ出た感じ?
可夢偉:ウン! 

—-今年のクルマがよさそうだというのは、わかったんですけど、去年と較べると、どのへんがよくなっている?
可夢偉:えーと、簡単に言うと、周りが落ちました! さすがに、あのエキゾースト・ナントカがなくなったのは影響があったみたいで。

—-今年のザウバーがすごくダウンフォースがあるということじゃなく?
可夢偉:ぼくらも(ダウンフォースが)落ちたんですけど、向こう(他チーム)はさらに落ちた! 

—-クルマ(ザウバー)は去年より乗りやすくなっている?
可夢偉:タイヤが軟らかくなった分、乗りやすくなったように見えるけど、実際は、周りが落ちてる。

—-でも、去年のように、クルマが”滑りまくる”ということはなくなっているようだが、それはタイヤのおかげ?
可夢偉:タイヤですね。

—-そのタイヤに合わせて、もう、クルマも作ってある?
可夢偉:“合わせて”ないから、ここ(今日の予選)でハマったんじゃないですか?(笑)

—-今日の予選ポジションというのは、気持的には?
可夢偉:××でしょ?(笑)。

—-(メディアで)使える単語で、言ってくださいよ!(笑)・・・”最悪ですよ”くらいに言い換えていいですか?
可夢偉:あ、はい! (笑)。 

—-明日は、”攻め”と”粘り”とどっち?
可夢偉:わかんないから、両方!(笑)ピットストップも、わかりません。誰も10周以上走ってないから。

—-レースは、10周過ぎくらいから、おもしろくなるかもしれない?
可夢偉:そうですね。

—-チームですけど、メカニックの顔ぶれがガラッと変わった?
可夢偉:そう。

—-二人とも? 何で?
可夢偉:もう疲れて、俺は家にいたい、という人が大量に出て(笑)。ぼくの担当だったのは、(今年は)二人しか残ってないですよ。

—-チーフメカニックは代わってない?
可夢偉:代わりました。彼は、去年は、ぼくのフロント周りをやってた人。ぼくのリヤをやってた人が、反対側(ペレス)のチーフ。だから、二人、チーフが(チームから)消えた。

—-今日は、三回目の開幕戦、その予選だったんですが、三回目のうちでは?
可夢偉:一番自信あったんやけど、一番ヘボやった!(笑)

【STINGER/Hiroaki Iemura】
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